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Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.18 )
日時: 2014/03/12 00:01
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

翌日、壮吉は懲りもせずに
ロジャーの衣装を持って来ていた。
やっぱりあの姿をみんなにも見せたかったのだ。

ロジャーの衣装で壮吉は部室に入り込んだ。
「うわっ、本物のロジャーなの?」
絹恵が驚きの表情を見せる。
「すごい、サインお願いします」
千恵子も握手しながら壮吉に近寄る。
「てめーのせいでこないだのアニメ見逃したんだぞ、
責任取れ!」
健二が殴りかかろうとするのを、昌弘が止めた。
「バカ、てめぇのせいでロジャーが怪我したらどうする?
こいつの無礼をどうか許してくれよ」
昌弘が壮吉と握手した。
「じゃじゃーん、オレでした」
壮吉がマスクを取ると、一同はがっかりした表情で
壮吉を罵倒した。
幸雄「今すぐ脱げよ、汚らわしいな」
昌弘「よし健二、こいつ殴っていいぞ」
絹恵「悪ふざけもいいとこだね、笑えないよ」
壮吉は少し涙目で、部屋を出て行った。

その後、トイレで私服に着替えると、
みんなの怒りも大分治まった。
その後、家に帰ろうと支度をしていると、
壮吉は衣装を忘れていたのを思い出した。
やっぱり、忘れると清掃の人にも迷惑になると思った
壮吉は、取りに行くことにした。
すると、国際部の教室の前にあのスーツが落ちているのを見つけた。
「あれ? こんなとこに置いたっけ?
確かデイモンはこの教室だっけ……」
壮吉は不審に思いながらも、衣装をカバンにしまった。

廊下を歩いていると、デイモンが何か探している
そぶりを見せていた。
「どうしたの?」
壮吉が尋ねると、デイモンは答えた。
「何でもねーよ、あっち行け」
壮吉を遠ざけようとしていた。

一方、大学の前には黒いトヨタ・クラウンが止まっており、
中には昨日のチンピラが乗っていた。
「たしかにここにロジャーがいるんだろ?」
後部座席の男がチンピラに尋ねる。
「間違いございません、奴をおびき出すチャンスです」
そう言うと、チンピラは部下二人と校舎内に入っていった。
廊下内には絹恵が千恵子とキャロルと歩いていた。
「お嬢ちゃん、ちょっといいかい?」
チンピラが千恵子に話しかける。
「はい、なんですか?」
千恵子が振り返ろうとした途端、チンピラたちが三人を
後ろから殴り、気絶させた。

翌日、大学の入り口前に人だかりが出来ていた。
「おい大変だぞ」
壮吉と幸雄を見つけた昌弘が必死に二人を呼び止める。
「どうしたんだ?」
壮吉が尋ねると、昌弘は指を指した。
そこには「エレクトロニック・ロジャーへ
この大学の赤塚絹恵、奥村千恵子、キャロル・バーキンの
三人を人質に取った、
返してほしければ港近くの科学工場跡地まで来い
ジョー・モントゴメリーより」という
張り紙が張られていた。

その張り紙を見たデイモンは、「ちくしょう!
モントゴメリーめ」と叫び
駐車場のフォード・マスタングに飛び乗ると
走り去ってしまった。
「おっさん、化学工場まで乗せてくれ」と
壮吉も昌弘に頼み込んだ。
壮吉は幸雄、昌弘とともに
昌弘の愛車、ボルボ・アマゾンで工場へ向かった。