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Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.19 )
日時: 2014/03/12 00:24
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

マスタングが工場跡地に停まると、
デイモンは車を降りると、工場まで走っていった。
壮吉のボルボもすぐに工場に到着した。
「あの車、デイモンのだな」
壮吉は呟くと、車から降りて二人に忠告した。
「いいか、二人は絶対工場に入るなよ
オレがすべての責任を負う、絹恵たちは無傷で連れ出してやる」
車の中で壮吉はロジャーの衣装に着替えていた。

工場の入り口の前のドラム缶の後ろに隠れた壮吉は、
工場内を見渡した。
すると、工場の二階で絹恵たちがイスに縛り付けられていた。
それよりも、目を疑う光景があったのは
あのロジャーの姿の男がチンピラたちに殴りつけられて
倒れこんでいた。
「あれって、まさか……」
壮吉はチンピラたちに向かい走っていった。
チンピラ数人が殴りかかってきたが、その攻撃は全く痛くなかった。
反撃に繰り出したパンチの威力も強く、
チンピラは歯を折りながら倒れた。
「いつもより強くなってる、たしかあのドラマの中では
本物のスーツは力を倍増させる機能があったよな……」

チンピラたちを片付けたあと、壮吉は倒れているデイモンに
声をかけた。
「おい、あんたデイモンか?」
デイモンが笑った。
「オレはあのエレクトロニック・ロジャーさ
いつものスーツを着たはずなのに全く力が出なかったんだよ」
「それはきっとオレのスーツだったんだよ、
取り違えていたんだ!」
壮吉が涙をこぼす。
「ごめん、オレのせいで……」

すると、後ろから声が響いた。
「そこまでだ、エレクトロニック・ロジャーよ」
ショットガンを構えた男が二人の後ろに立っていた。

壮吉とロジャーは両手を後ろに縛られ
モントゴメリーの後ろに立たされた。
「あいつがジョー・モントゴメリーか、
たしかお前のガールフレンドのミシェルもあいつに殺されたよな?」
「そうさ、奴が日本に潜伏していると聞いて
オレは日本へ潜伏していたんだ」
二人のロジャーの姿を見たモントゴメリーは
大笑いした。
「全く、お前のファンは世界中にいると聞いたが
よくできているな、どちらが本物か分からんよ、
だが二人とも殺しておけば楽ってもんさ」
モントゴメリーが引き金を引こうとした途端、
バイクのエンジン音とともに
もう一人のロジャーが入ってきた。
「だ、誰だお前は?」
モントゴメリーが名を尋ねる。
「我が名はエレクトロニック・ロジャー
愛と平和の伝道師さ」
髪の長さと声から、三人目は女だった。