コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 放課後6時間目 Sweden Area ( No.21 )
- 日時: 2014/03/13 00:00
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
「放課後友人倶楽部」の部室で
キャロルが一枚の写真を懐かしげに見ていた。
「キャロル、その写真誰?」
絹恵がキャロルに尋ねた。
「彼女は私の友人のドロテアだよ、
スウェーデン出身で、高校も一緒だったの」
その写真にキャロルと写っていたのは
ロールされた長い髪に青い瞳の少女だった。
「かわいいな、彼女は今どうしてるの?」
壮吉がキャロルに尋ねる。
「壮吉、お前には高嶺の花だぞ」
「べ、別に口説こうと思ったんじゃねぇ」
幸雄が冷やかす。
「スウェーデンに帰国したよ」
キャロルが答えた。
その日の晩、壮吉はいつものように
ワルシャワで誠一の店の手伝いをしていた。
すると、店に一人の男が入ってきた。
「やってるかい?」
「いらっしゃいませ!」
誠一が威勢よく出迎える。
「おや、長谷部君じゃないか?」
「あっ、こんばんは」
客の正体は学長だった。
「いつもここで働いているのか?」
「はい、ここに居候させてもらっています」
壮吉が答えた。
「大将、ビールおかわり
それと冷奴とねぎまとつくねを三本ずつ頼むよ」
学長は大量の酒と食事をむさぼっていた。
「学長さん、飲みすぎですよ」
誠一が注意をする。
「こうでもしなきゃやってられんよ
実は明日、娘がスウェーデンから帰って来るんだが
どうにも心配事が多すぎるんだよ」
学長がぼやく。
「変な奴と関わりを持ったらどうしようとか、
そんなことばかり考えているんだよ」
「まさか変な奴ってのはこいつじゃありませんか?」
誠一が壮吉を指差した。
「そうだ、私の娘に手を出したりしたら承知せんぞ、
部員の連中たちにも忠告しとけ」
学長が壮吉を睨んだ。
「分かってますよ、ところで
娘さんのお名前は?」
壮吉が尋ねた。
「ドロテア・タミヤだ」
「あのドロテアですか?」
壮吉が驚く。
「どのドロテアだ?」
学長が腑に落ちない顔をする。
翌日の夜、学長が空港の駐車場に
愛車のサーブ・96(スウェーデンの自動車メーカー
サーブの中型セダン)を停め、
ロビーへと歩いていった。
ロビーに座って売店で買った夕刊を読んでいると、
遠くから声が聞こえてきた。
「お父様ー!」
振り返ると、キャロルと写真を撮っていたあの少女が
バッグを抱えながら歩み寄ってきた。
学長とドロテアがハグを交わす。
「久々だな、ドロテア」
「相変わらず下手なハグの仕方ですわね、
これはお母様にも逃げられるはずですわ」
学長の娘、ドロテア・タミヤ(CV:ゆかなさん)は
悪戯っぽく笑う。
これを聞いた学長は少し焦りを感じた。
「ダメだ、全く性格は変わってない」