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Re: 放課後6時間目 Sweden Area ( No.22 )
日時: 2014/03/13 01:01
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

翌朝、学長が運転するサーブの助手席で
ドロテアは通学してきた。
「お父様、車線変更の際にウインカーを出さないのは
非常に危険ですわよ」
車を降りながら、ドロテアが学長に口うるさく注意した。
同じ頃、キャロルも愛車のローバー・P6(イギリスの自動車メーカーのローバーが製造していた中型セダン)で通学してきた。
車から降りたキャロルはドロテアの姿を見つけた。
「あれっ、ドロテアじゃない?」
キャロルがドロテアに走り寄る。
「まぁ、キャロルさんじゃありませんか」
ドロテアがキャロルと抱き合った。
「いつ日本に戻ったの?」
「昨日です」
「変わってないなぁ、相変わらず可愛い」
キャロルがドロテアを抱きしめる。

昼休み、ドロテアとキャロルは学校の裏庭で
昼食を食べていた。
キャロルは自作のホットドッグとコアップガラナ、
ドロテアはダージリンティーにマフィン、
ケーキやマシュマロなどのティーセットだった。
「ねぇドロテア、見て」
キャロルはコアップガラナの瓶を魔法で浮かせる
魔法を見せる。
「相変わらずくだらない手品がお好きですわね」
ドロテアがあざ笑った。
「ドロテア、もしよかったら放課後
私の部活に来てみない?」
キャロルの提案を、ドロテアは承認した。
「いいですわね、お誘いをお受けしますわ」

そして放課後、ドロテアが「放課後友人倶楽部」の
部室に現れた。
壁には、部員達が描いた「ようこそドロテア」の
張り紙がされていた。
「凄くきれいな人だったよな、オレ楽しみだよ」
幸雄がわくわくしながらドロテアを待つ。
「新しい部員なんて久々だね」
絹恵も楽しみにドロテアを待っていた。

すると、部室のドアが開いた。
しかし、ドロテアの開口一番の言葉に
一同は凍りついた。
「まぁ、汚らしい教室ですわね
おまけに部員のみなさまもあまり上品さを感じませんね」
「こらっ、だめだよ」
キャロルが焦りながら注意する。

「やぁようこそ、オレがこの倶楽部の部長の
生沢幸雄です」
幸雄が握手を交わそうとした途端、ドロテアは
その手を払いのけた。
「私に軽々しく触れてほしくないですわ、
あなたはお金持ちらしいですがお金だけで
ついていくような女ではありませんわ」
幸雄が反論した。
「そ、そういうわけじゃないけど……」
ドロテアがそれを無視する。

「こんにちは、私は副部長の赤塚絹恵だけど……
今日は友好の印にクッキーを焼いたんだけど」
絹恵がクッキーを差し出した。
「ありがとうございます」
ドロテアがクッキーをほおばる。
「酷い味ですわね、パサパサしているうえに
味付けも濃すぎる、こんなものを人に出そうとするとは
無礼極まりありませんわ」
ドロテアが不快そうに呟く。
「失礼だよドロテア、ごめんね絹恵ちゃん
クッキー美味しかったよ」
キャロルが必死に笑顔を作った。
絹恵が少し悲しそうな表情を見せる。