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*・*＊1話＊*・*

キーンコーンカーンコーン

「おはよう！」

「おはよ〜」

いつもの風景に明るく日差しがさしている。風でヒラヒラ
と落ちていく桜のはなびら。

私、早川美優。春から中学2年生。

ガラッ

教室に入ると、1人の女の子が飛び跳ねるように美優にかけよって来た。

「美優ちゃんおはよう！」

まるで天使のような笑顔でにっこりと笑いかける。

この子は私の親友の野々瀬百合香。さらさらの髪にツインテールに結んでいるのがチャームポイント。

「また早川と同じかよ」

百合香の後ろで嫌らしい聞きなれた声……桧山カイト！

「悪かったですね〜クラス同じで！」

「本当だよ！なんでお前と同じなんだよ」

「それはこっちが言いたいし！」

またいつものこぜりあいが始まる。それに慌てて止めに入る百合香。

「まあまあ…2人とも、落ち着いて。皆見てるよ」

百合香が恥ずかしそうにうつむきながら言う。見てみると

確かにクラスの全員が美優たちの事を見ていた。

女子たちはヒソヒソ話をしながら。男子はくっついちゃえ〜とか嫌がらせを言って来る。

カアァァっ！！

まさか皆が見てるとは思わなかったからあまりの恥ずかしさに顔が赤くなった。

カイトもさすがに恥ずかしかったのか真っ赤にしながら頭をかく。

カイトっていつも私の事、女子あつかいしてくれないし、ちっとも優しくしてくれない。優しくしてくれないどころか、いつもケンカしてばっか。

あ〜もぉ〜！最悪だよ！！一番かんじんな最初に！しかも

よりによって皆の前で！！！

早川美優。最悪な中学2年生が始まりました。