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ー続きー


「先生いないなー」

「…うん」

美優とカイトは保健室に入った。

美優はイスに腰かける。

シーーーン

しばらく無言の気まずい空気が流れた。

心臓の鼓動がドックンドックンと波打つ。

「…大丈夫か？まだ具合悪いか？」

「だ、大丈夫。でもちょっと頭痛いかな」

美優はごまかすようにハハッと笑う。

ふと、カイトはハァーとため息をつくと、

「お前って、ほんとバカだな」

は、はあぁー！？

美優の中で何かがプチッと切れた。

な、な、何なの！？いきなり！！

「お前さ、いつもぼーとしてるからこんな事になるんだぞ」

「いつもじゃないですぅー！！てか何！？悪口言いに来たわけ！？」

「お前がバカだから言ってやってんだよ！」

「バカバカうっさーいっ！」

「数学の問題解けないくせにぃー」

「っっ~~~！！」

さすがにそれは言い返せない。

そうやってケンカしているうちに何だか頭が痛いのも忘れて来た。

もしかしてカイト、私の気持ちをまぎわらしくしようとした…？

カイトのしたずら顏に美優の顔にも笑みがもれる。



伝えたい…私の気持ちーー…



「ーー好き…」

「えっ…」

保健室の中がシーーンと静まり返る。

恥ずかしいっ！けど伝えたい、私もカイトの事が好きってーー…

「俺も」

「っ！！」

一瞬、世界が広く見えた。

おたがい顔を真っ赤にしながら、顔も合わせられないけど…


早川美優。始めて恋をしました。


*・*＊2話終わり＊*・*