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Episode15　君にあげる。

放課後、教室にこっそりと入る。
夕日が差し込む教室は、昨日のバレンタインの騒がしさが
嘘のように静まっている。

窓際のあいつの席。
幼馴染のあいつの席。
手に持ったチョコレートが震える。

あいつは皆にチョコを貰っていたし、
昨日は恥ずかしくて渡せなかったし。

言い訳しながら、私は彼の机にチョコを置く。

遅い？
そのくらい、いいでしよう。

「君にあげる」

呟いて、恥ずかしくなって思わず駆け出した。
一日遅れの、バレンタイン。

　　　　＊＊＊

なんだか急にバレンタイン物が書きたくなりました。
一日遅れですけど、ハッピーバレンタイン。
ちなみにぴったり200文字小説です。
愛にゃんが語らない短編もたまには良いかなあと。
恥ずかしがり屋の少女が、幼馴染にチョコを渡す(？)お話です。