コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 雑談しようぜ(^ω^ )[[ Ⅰ ]] ( No.7 )
日時: 2014/03/20 23:04
名前: いい人、悪い人α ◆a1TO9CCyZ6 (ID: 492uL0E4)


カタカタカタカタカタ
             …ットン




暗く、狭く、そして散らかった部屋の中でひたすらそんな音が響く。
6月3日、俺は部屋の中にいた。
降りやんだ雨は再び息を吹き返し、雨はまたしても降り始めた。
おれはメガネをかけたまま、ニット帽はかぶらず、服は履きにくいGパンは脱ぎ、出発前のパジャマを着ていた。

100m。

それが俺の希望の道の距離だった。
そう、100mにして俺の希望の道は途絶えたのだ。

俺への精神的ダメージは大きかった。はじめの近所のおばさんたちの話なんていいほうだ。
おれには100mの道のりが長すぎた。俺が家を出発したあと、様々なこんなんが俺の前に立ちはだかった。
たとえば、こんな話—
俺が小学校のころなかのよかったおばあさんがいた。
俺の家から30mほど離れたところかな。
そのおばさんがたまたま家の前に出ていたんだ。20年前と変わらず元気な姿だった。
そのあまりにも変わらなすぎる姿に、なんて言うんだろうな。俺は少し目頭が熱くなった。なにか心にくるものがあったんだ。どうしても文じゃつたえにくい。ごめんな。
俺の足の動きが少し早くなる。おれの前方20mが5mに見えた。  そして、
おれがおばさんのすぐ近くに近づいた時だ。おばさんが俺に気づいたのは。

俺だって覚悟してた。20年前と変わらず優しく接してくれるなんて思ってない。絶対に気まずい感じになるだろう。
でも、俺は勇気を持って話しかけた。できるだけ明るく聞こえる声で。どんなふうな声になっていたかはわからない。
「ばあちゃん!」
おばさんは微笑んだ。20年前と同じ笑顔で。いや、少し若返ってるような感じもしたかな?
俺はばあちゃんの再開で少し心にかかっていた何かが取れるんじゃないか、と少し期待した。
—でも、何もおこらなかった。おばさんは俺に声をかけることすらないままそのまま歩いていた方へ行ってしまった。

—なぜ???

俺のことをそこまで哀れんでいるのか?やはり今のこんな20年前とはまったくちがう、とまではいかなくてもかなり変わってしまった俺のことなんて覚えてなかったのだろうか?俺はすこし、いや、かなり傷ついた。


おばさんが認知症にかかっていたという話は、のちに聞くことになった。



この他にも、俺は100mの間に様々な精神攻撃にあった。でもいちいち書いているとまるできりがない。俺の精神も多分、持たない。だからこのくらいにしておく。
こうして俺は耐え切れなくなり、やむなく家に戻った。
そして今に至る。



     …やはり俺に希望の道なんてなかったのか??