コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 色彩の星を____* ( No.14 )
- 日時: 2014/03/31 12:32
- 名前: 唄華 (ID: A1.ZfW1L)
八.五話
「そういえば、まず何処に行こうか決まってるのか?」
森の中を歩いている途中、セイカはふとした疑問を投げかけた。
「…港町のコーラルの町に行こうと思ってるのさ」
「…遠くね?」
「でっ、でも遺跡の情報が掴めるかも知れないと思ったから…!」
「遺跡を研究してるやつって殆どいないと思うぜ?もし、コーラルの町から遠いところに遺跡があったら、尚更研究者なんていないだろ」
事々く論破される。うぐぅとカトレアは唸った。
「じゃあセイカには行くあてがあるのな!?自分から吹っかけたんだからあるんだよな!?な!?」
逆にカトレアから問い詰めてみれば、セイカはふと勝ち誇った笑みを浮かべた。
「俺様を誰だと思ってる!俺はチャロアの街に行こうかと考えてたんだ!」
「…チャロアの街?」
「そう!ネリアンの森からそう遠くない場所にある小さな街だ!
海に面していて、魚が美味しい良い場所だ!」
「…!魚が、美味しいのさ?」
「ああ、絶品だぜ…あれは…しかも遺跡らしい洞窟を近くで見たやつもいるらしい。
何でも時々誰かの竪琴が聞こえるらしいいからな」
「魚…、遺跡…
…よし、チャロアへ向かうのさ!セイカどっちの方向へ行のさ?」
魚。遺跡、と単語を耳にしたカトレアは瞳を輝かせ、行く場所を変更した。
まったく、優柔不断である。
「こっちの方向で合ってるはずさ、というかコーラルの町に行く途中で通るはずだからな…」
「よし、じゃあチャロアの街に出発なのさー!」
『おーうっ!…ところでさ、セイカくん』
ずっと黙っていたタナスがいきなり喋りだし、いきなり話題をふったからセイカは驚いた。
「うわっ、…なんだよ」
『君、親御さんは大丈夫だったのかい?勝手に飛び出したりして…』
するとセイカは目を伏せて答えた。
「…俺にはもう両親はいない。代わりに親戚が引き取ってくれた。」
『あっ、何かごめんよ』
「いや良いんだ、慣れてる。で、昨日家帰ったあと親戚に相談したら、頬引っぱたかれた」
「律儀に相談したのさ…偉いな…」
『いや主、そこは引っぱたかれたことに反応しようよ』
「あっそうだったのさ、ごめん」
「良いよもう謝んなよ畜生!!!」
このアホコンビ、略してアホンビはっ!と叫び、話を続けた。
「んで、引っぱたかれた後に言われたよ、絶対生きて帰ってこいってね。優しい親戚だったよ」
そう懐かしむように言ったので、三人は静かになった。
この空気どうにかしてよ、と視線でタナスに向けるが、タナスは知らん顔をした。むかつく。
すると突然、陽の光が強くなった。森を出たのだ。
雲一つない快晴で、太陽がさんさんと降り注いでいた。
「この平地を抜ければ、多分チャロアの街につくぜ」
「そ、そっか…よし、じゃあチャロアの街に出発なのさーっ!」
三人は同時に、平地へ足を踏み入れた。