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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: くろウサギ ( No.19 )
- 日時: 2014/04/21 06:32
- 名前: 暁 (ID: z5Z4HjE0)
明菜と氷雨のちょっとした威圧感におびえながらも動いている足は止まらない。自分のクラスになった三の二の教室に入ると、どことなく見覚えがある顔と初めて見た顔が目にうつる。そしてすぐに興味を持つのは自分の席。出席番号順に並んでいるというのは知っているが、それでも気になるものだ。
「あ……」
丁度、教卓の前。これは誰もが気を落とす場所。常に先生の監視付きだ。そして明菜と氷雨とは随分離れている。
「まっ、しょうがないよ。先生が決めたんだからさ」
「悲しいなぁ」
「あぅ〜」
機嫌が直った二人の気楽な言葉に紗雪はため息と一緒に声が漏れた。自分だけデメリットがあって、二人がないからなのか。
「俺は窓際だったよー。良かった」
「あたしは一番後ろだった。さぼれる」
それ以上にメリットがあった。
「あ、あ、白雪ちゃん。俺、一番前だったよ?」
「……」
「白雪ちゃん?」
氷雨が慰めてくれているのは分かる。しかし。
「……わたし、せんせいの前だもん」
涙目で訴え机の上でうなだれる白雪に氷雨はどうしようもないと鞄から何かを取り出した。それを紗雪の目の前に置く。
「はい、リンゴジュース。これあげるから元気出して?」
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