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Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.14 )
日時: 2014/04/05 15:07
名前: 美奈 ◆5RRtZawAKg (ID: apTS.Dj.)

第5話
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俺は家の戸を開けた。昨日の夕方から出かけて、友達の家に泊まり、今日、少し遊んで帰ってきたのだ。
今朝方、父は出張にでかけたはず。一緒にいると、"おい京汰、勉強したか?"とか"すぐ寝るんだぞ"とか、何かと口うるさい父だ。現在母がいないこの家で、俺のことを考えてくれてるのは分かってる。分かってるけど…
いない方が、静かでいいと思ってしまうのだ。思春期ってやつは、色々と面倒だ。自分の思い通りにならなくて、苛々する。
また、俺だけの生活が始まる。…今度はかなり長期間だろう。

「ただいま」

誰もいないことは知っていた。何となく口に出してしまった。
…が。

『ん?あ、おかえり。ごめんね、勝手にパン食べちゃった。あ、や、でも、期限切れのやつなんだけどね…あ、そうそう、お父さんは出張に行ったよ、ちゃんと』

応答があった!どういうことだっ?!
他人の家に入っちゃったかな、と本気で思った。…いやいや、ここは慣れ親しんだ俺の家。何があっても俺の家!

怖くなって逃げ出したい衝動に駆られたが、必死で踏みとどまった。
俺の家なんだ!逃げる理由なんてないじゃないか!