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Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.20 )
日時: 2014/04/14 08:05
名前: 美奈 ◆5RRtZawAKg (ID: HPUPQ/yK)

第9話
こういうお節介な奴は、本当に腹が立つ。どうしても腹が立ってしまう。

「…お前、消すぞ」

『そんな物騒なこと言わないで』

「お前の存在が物騒だ」

『な……っ…!』

「オンアビラ…」

刀印を組んだ俺の手を、悠馬は慌てて強く握ってきた。

『分かった、分かったよ京汰!もう壁からするっと方式とかやらない!ごめん!』

俺はスルーして呪文を唱え続けようとしたが、やめた。必死に謝る式神を見て、訳の分からない情が生まれてしまったのだ。
仕方ねぇなぁ、と俺は刀印を外した。
ほっとした表情で、ごめん!ごめんね、と悠馬は言って部屋を出て行った。もちろん、ドアから出て行った。
一人になったのを確認してから、盛大なため息をついた。
勝手にパン食うし、何か俺より良い顔立ちだし、お節介だし…。

色々と憎たらしい式神だ。