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Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.21 )
日時: 2014/04/17 17:49
名前: 美奈 ◆5RRtZawAKg (ID: HPUPQ/yK)

第10話
コンコン、コンコンコンコンっ。
ドアのノックの音がして、俺はのろのろと目を開けた。と…

『おはよう、京汰!もう6時だよ!そうそう、期限切れのパン食べても、何も影響なかったから、最後の1枚食べちゃった!んでねぇっ、今度は焼いて食べたいな、って思って、トースター使わせてもらったよ。いやぁ、色々びっくり。式神が機械触っても問題なく動いたよ、エアコンも動いた!…ってねぇ、聞いてる?起きてる?そろそろ起きないといけないんじゃない?ねぇ…』

起きてすぐの時は、俺は大抵機嫌が悪い。ドアの目の前で絶え間なく紡がれる悠馬の言葉の数々が、俺の怒りを助長させた。大股でドアまで歩いて、力強く開け放つ。

『どわっ!!』

「朝からうるせぇっ!存在もうるせぇっ!!消すぞこらっ」

『うわうわ、やめてやめてそれは』

反省したのか、悠馬はそれからふっつりと黙った。俺の視界からも消えた。やれやれ…。
やっと静寂が訪れ、内心ほっとしていた。
…が、それも束の間。
またどこからか現れた悠馬が、とにかくうるさい。

『ご飯食べた?』

『歯、磨かないとダメだよ』

『カギ忘れないでね』

悠馬との生活が始まって、最初の朝だ。
やっぱりこいつは父親と同類だった。お節介この上ない。

あーだこーだと一人で騒いで俺を急かしていた悠馬は尋ねた。

『京汰、もう学校行くの?』

「ああ」

『ええっ、嘘でしょっ?!』

突然、悠馬は焦り出した。俺は制服のネクタイを結ぶ手を止めた。