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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.24 )
- 日時: 2014/06/10 23:39
- 名前: 美奈 ◆5RRtZawAKg (ID: CwTdFiZy)
第13話
京汰が家で"嫌だ嫌だ嫌なんだってば"と嘆いていた授業も、僕にとってはすごく楽しいものだった。
教師の立つ"教壇"というものに一緒に立ってみたり、"黒板"をちょっと触ってみたり…。
さすがにチョークで何かを書く、というのはやめておいた。傍目から見れば、チョークが浮くことになる。
ー無闇に勝手なことはするな
そう。主の言いつけを守る為だった。
6時間目の国語の授業。まぶたを閉じかけては、何度もハッとして目をしばたかせる京汰を起こしてやろうと、京汰の耳に息を吹きかけた。
「わっ」
教師が声をかけた。
「藤井、どうした」
「あ、や、何でもないです…」
周りの何人かが、どうしたの?的な目線を京汰の方に向けた。
京汰は勢いよくシャーペンをつかみ、ノートの端に何かを書いた。僕へのメッセージだろう。
"あのやり方はひどいし、怪しまれる"
〈あちゃあ。ごめんねぇ、でも寝てた京汰くんが悪いよ〉
(…てめっ)
「馬鹿野郎っっ!!お前みたいな変態のせいで怪しまれただろ!授業中に生徒がいきなり声あげたら変人だろっ!ホントにお前消すぞ!」
家に帰ってきた瞬間叫ぶ京汰に、僕も応酬した。もう隠形は解除してある。
式神の分際でも、京汰なんぞに言われてたまるか!
『京汰だってひどいよ!せっかく起こしてあげたのに怒るなんて!変態かどうかなんてどうでもいいだろこの話ではっ』
「何…!?起こしてあげた、だって!?何とまぁ生意気な!くあぁっ、憎たらしい憎たらしい式神だぁっ!」
この後、式神と人間の追いかけっこという奇妙な図がうまれた。
僕と京汰が互いに一発殴り飛ばした所で、追いかけっこは終了した。
結局京汰は、式神と戯れていた。
いや、戯れるしかなかった、のだろうか……。
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