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Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.30 )
日時: 2014/10/12 12:54
名前: 美奈 (ID: JbG8aaI6)

第17話
「はあっ!?」

俺は握っていたシャーペンを落とした。
でもそんなのはどうでも良かった。

「待て待てタイムタイムターイムっ!!今、何つった?」

『どっから言えばいいの?』

真面目な顔して尋ねる悠馬に俺は叫んだ。

「平均点以下取ったら、の後だよっ」

しかし悠馬は、慌てふためく俺に平然と言い放ったのだった。

『華音ちゃんのことは、あきらめて。…僕、華音ちゃんに、恋をした』

「いやいやズルいだろお前!!だって悠馬は勉強しなくていいんだから!」

悠馬は俺をひたと見据えた。どこまでも真剣な式神を、本能的に怖いと感じた。

『京汰。学生の仕事は何だ?勉強じゃなくて?…ブツブツ言ってるんなら、また壁からするっと方式で京汰の部屋入ってやっても、いつも僕がやっている洗濯をほったらかしてもいいんだよ…?』

「わ、分かったよ!分かった分かった!じゃあ勉強してやるよ!クラスの底辺レベルの学力の俺でもできるんだからなっ、やる時はやるんだ俺だって……っ!!」

宣言した俺に、生意気に"頑張れぇ、その心意気ぃ"などと言っている悠馬である。

「憎たらしい………っっ」

俺の恋敵は、憎たらしい式神だった。

負けたくない。人外のものに篠塚華音をとられてたまるものか。

「やってやる!!」

俺は初めて、"ガチ勢"の仲間入りを果たしたのだった。