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Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった 【参照2000!】 ( No.84 )
日時: 2018/01/11 13:02
名前: 美奈 (ID: Djfn6fKO)

第39話
・・・・・・・・・
「っっっしゃぁぁぁぁあ!!!!!!」


不気味なほどの静寂に包まれた某F家のキッチンに、推定16歳の少年の雄叫びが突如響き渡った。そのけたたましい猛獣の如き鳴き声を聞き、思わず身をすくめ不覚にもビビってしまった同居人がいる。そう、それが僕、悠馬くんなわけである。

僕は学校での京汰の大失態、その上帰宅するや否や泣きつくという救いようのない態度にほとほと呆れていた。式神に愛想を尽かされる人間なんているんだな、って他人事のように思っていた。そんなわけで日々のお世話も疲れてきてしまい、というか試験終わったんだから最低限料理とか部屋の掃除くらいやってよ、という気分にもなり、僕は京汰の洗濯物だけは洗っていたけど、それ以外は放置した。慢性疲労ってやつかなって思ったりもした。もう口も出さなかった。
だって親切心で色々言ってるのにさ、「消すぞ」とか「うるせぇこの野郎消すぞ」とか「お前の存在が煩わしい消すぞ」とか、存在否定ばっかりしてくるから。そりゃこっちも嫌になるわよ。怒っちゃう時くらいあります、だって、式神だもの。存在否定って立派なイジメよね。泣かずに耐えてる僕偉すぎる。勝さん褒めて。頭ぽんぽんしてほしい。切実に。

でもまぁ、そんなセンチメンタルな気分でいた時に、先ほどの耳をつんざくくらいの雄叫びが聞こえてきたわけで。


『何よどーしたのよっ』




僕は久しぶりに、京汰に対して口を開いてしまったんだ。