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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)短編投票実施 ( No.11 )
日時: 2014/04/07 12:20
名前: 夕陽 (ID: ofW4Vptq)

番外編
兄弟編〜樽井兄弟〜

「兄さん、わか、何やってるの!?」
 そう怒鳴り込んできたのは、和人。
「何って、正義のヒーローごっこだけど」
「そうよ、あんたは邪魔しないで」
「ヒーローごっこなんて子供のやる事じゃないか! いい加減兄さんもわかも成長してよ!」
 二人は顔を見合わせ首をかしげる。その仕草は双子のようにそっくりだが、実際は和人とわかと呼ばれた女の子、和歌奈が双子で兄さんと呼ばれた男、和輝は二人の兄だ。
「何で? 別にいいじゃん」
 と和輝。
「いいじゃない。別に。あんたが掃除するんだし」
 と和歌奈。
「いや、兄さんの言い分は百歩譲っていいとしてもわかのはダメ!」
 さすがに理不尽だ! と和輝は切れる。
「なんでよ? 和輝はいいのにあたしはだめだって言うの?」
「いや、どう考えてもダメ! こんなに散らかして……」
 和人は部屋を見回す。そこには散らかったおもちゃや、本や、文房具があった。
「ほら、コンパスとか普通に刺さっている家っておかしいから!」
 コンパスを抜きつつ和人は説教する。
「それは、魔王カズトを倒すのに必要な魔法のコンパスなのに……」
「あ、ごめん……って違う。なんかしおらしい態度に謝っちゃったけど、ダメだから! それに魔王の名前が地味に僕と同じなんだけど!」
「口を動かす暇があったら手を動かす!」
「はいはい、っておかしいだろう! わかも手伝ってよ!」
「い・や・だ」
 和人はしぶしぶ、でも手際よく片付ける。
「和人は片付け上手いなあ」
 和輝は片づけが下手らしく逆にちらかしている。
「もう、二人ともあっち行ってて」
 痺れを切らした和人が和輝と和歌奈を追い出す。
「全く、あの二人は」
 そういって和人はきれいに片付け始めた。

「おー、和人ありがとう!」
「さすがね。私の部下だけあるわ」
「誰がわかの部下だ」
 三十分もしないうちに片付け終わり、二人を中に入れる。
「じゃあ、続きするか」
「ええ、魔王カズトに操られた仲間を助けないと」
「やらせないよ? っていうかその名前やめろ!」
 またごっこをはじめようとする二人を和輝は必死で止めていた。

—END—