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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.17 )
日時: 2014/04/13 19:25
名前: 夕陽 (ID: ofW4Vptq)

三話 天使召喚!(翔太目線)

「まあ、二人は見学期間だし見ていてくれればいいよ」
 僕は二人にそういい、他の五人と向かい合う。
「じゃあ、やろうか」
 僕が指示を出すと皆はそれぞれ準備を始める。
 そして準備を終えると僕たちは呪文を唱える。
 どうでもいいが、これはこの学校に代々伝わる方法だ。
 なのでみんなが知っているものと違うかも知れないが指摘はしないでほしい。

 この魔術は何かを召喚するというよりも、こっちとあちらに通じる道ができる。
「今日こそ成功できるかな〜」
 紗奈が祈るように呟く。
「できるよ!」
 奈美は自信を持っているようだ。
「とりあえず、呪文唱えないと」
 僕は呪文を唱えるといきなりテーブルから
「僕を呼び出したのは誰なのだ!?」
 天使らしきものが出てきた。
「この子、可愛い〜」
 綾乃がそいつに抱きつく。
 今日思ったんだけど綾乃って可愛いもの好きなのだろうか?
 でも、綾乃の言う通りそいつはとても可愛らしい。
 大きな青い瞳に、肩にかかる位のふわふわしている髪の毛が目を惹く。
 体も三頭身で大きさは僕の膝よりも少し低いくらい。
 そして、そいつの体には

——羽があった。

 これが僕がこいつを天使と思ったわけだ。
 皆もこの羽と召喚の魔法をやったことから天使だと分かったようだ。
「ところで、ここはどこなのだ?」
 天使がきょろきょろして考え込む。
「もしかしてチキュウというやつなのか? それだったら困るのだ!」
 なんか一人で答えに行き着いていた。でも、困るって何が?
「あの〜、お取り込み中のところ悪いんですけど、どうかしたんですか〜?」
 代表して話しかけたのは紗奈。
 彼女のふわふわした雰囲気なら、あいつも落ち着いてくれると思うんだが……。
「わっ。お前は誰なのだ! 僕は食べ物じゃないから食べないでくれ!!」
 すごい、取り乱していた。
「……落ち着いて」
 隼人が今度は声をかける。
「僕は食べ物じゃない……。食べ物じゃない……」
 なんかすごいパニックになってるようなのでしばらく待ってみた。

「ふむ、つまり君たちは召喚魔法をしようとして僕を呼び出したと」
「うん」
「歯を食いしばれなのだ!」
「え? なんで殴られなきゃいけないの?」
 ただ、呼び出しただけなのに……。
「その、なんで? 僕たち悪い事してないよ? みたいな顔をやめるのだ! 僕はここに来たかったわけじゃないのだ!」
 それは、悪いことしたな。
 でも、これなら他の奴も呼び出せるかも!
「それは無理なのだ!」
 何で? それにしてもこいつ心読めるのか?
「なぜなら僕が来る時道が完璧に封鎖されてしまったからなのだ! そして心は読めるのだ!」
 まじかよ……。
 僕は舌打ちをしてしまう。
 せっかくあいつらを助けられると思ったのに。
「でも、大丈夫なのだ! 多分封鎖を解く方法はあるのだ!」
「そうなの? どうすればその封鎖は解ける?」
 和輝が口をはさむ。
「それは、よく分からないのだ……」
 しょんぼりしてしまったので美樹は急いでフォローする。
「大丈夫です! みんなで考えればいいんですよ!」
 確かにそれはいい意見だ。
「それ、いいわね! さすが美樹ちゃん」
「私もいいと思います〜」
「うん、私もいいと思う」
「……賛成」
「俺もいいと思うぜ」
 皆も賛成のようだ。だったらやる事は決まっている。
「じゃあ、みんなでこいつが戻るために封鎖を解く方法を考えよう!」
 まあ、皆いろいろ下心がありそうだけど……。
 僕だってあいつらをあっちの世界からこっちに連れて来るのに封鎖解けないと困るし。
「皆さん、ありがとうなのだ! でも、心が読める身としては複雑なのだ……」
 そういえば、一つ聞き忘れてた。
「あのさ、二人はこの部活入ってくれる?」
 入らないのならこのことを強いる事はできない。
「もちろん、入ります!」
「俺も入るぜ」
 でも、二人は当たり前のようにこの言葉を言ってくれた。
「ありがとな、二人とも。とりあえずまだ正式入部はまだだけど、正式入部したら本格的に調べ始めるか」
 こうして僕たちオカルト研究部の新たな活動が始まった。