コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.18 )
- 日時: 2014/04/14 17:14
- 名前: 夕陽 (ID: eyS/yPyK)
番外編
兄弟編〜黒野姉妹〜
「ただいま」
私はドアを開けると姉も妹も家にいた。
「あれ? 二人とも珍しいね、こんなに早くに帰ってるなんて」
たいてい姉の奈々は学校の後はアルバイト、妹の玲奈は友達と遊びに行くので5時に家にいるのは珍しい。
「うん、今日はアルバイト休み……」
「お姉ちゃん、寝ながらしゃべらないでっていつも言っているでしょ?」
私はおねえちゃんに注意する。まあ、起きる気配はないけど。いつもの事だし放っておいても大丈夫だろう。なぜか知らないけど寝た間の記憶とか残ってるみたいだし。
「お、奈美姉。お帰り」
玲奈はいつも通り足をテーブルに乗せて座っていた。なんかこの子、中学生になってから髪染めたりして不良化しちゃったんだよなあ。
「そういえば奈美姉、金貸せ。あとで1割り増しにして返すから」
何で誰も注意しないかというと、こんな感じだからである。この子の友達もこんな感じだし……。ただ単に馬鹿なのか、元々いい子なのか……。おそらく両方だろう。
「いいけど……。あとでしっかり返してね」
私はお金を渡す。たいていこういうことは姉妹間でもしてはいけないのかもしれないが、絶対に言った事は守るので普通に貸す。お姉ちゃんもそうだしね。
「おう、がんばる」
玲奈は靴を履きどこかへ行ってしまった。
きっと、例の友達と遊びに行ったんだろう。いつも通り人からお金を巻き上げていると思ったら不良が盗んだお金を他の人に返しに行っているのだろうか?
……ちなみにこれは本当にあった話である。
本人達はなんとなくで人選したのだそうだが、たまたま不良で番長らしき人とけんかして勝ったらしい。
まあ、照れ隠しでこの嘘ついたのかもしれないけど。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんってば!」
とりあえず、お姉ちゃんを起こす。そうしないと、掃除ができないから。
「う〜ん、何?」
と言いつつも目は開ける気配がない。でも、意識はあるので自分のベッドに行くようにと促す。
「ふう、とりあえず掃除するか」
私は簡単に物を片付け掃除機をかける。
きれいになった、と思うと玲奈が帰ってきた。
「ただいま帰ってきてやったよ」
……意味不明だ。
「おかえり」
私はリビングで返事をする。
「お、奈美姉いつもはえーな」
この子はさっき会った事を忘れているのだろうか?
記憶力はあまりよくないと知っていたけど、ここまでとは……。
テストとかどうしているのだろう?
「そうかな?」
私は微笑む。
「そういえば、夕食できたからお姉ちゃん呼んできてくれる?」
何気なく記憶力のないことを証明している話から話題を変える。
「えー、まじかよ? 姉貴どうやってもおきないんだよ」
確かにそうだ。あの人が目を開けているときをみるのは最近はない。いつも寝ている、もしくは目を閉じている。
「お願い、ね? 玲奈」
私は手を合わせてお願いする。そうすると玲奈は仕方ないなと言うように肩をすくめながら起こしに……こっちに連れてくるようにしてくれた。
久しぶりに姉妹三人が食卓にそろった。
『いただきまーす』
皆で食べるのは二年ぶりだろうか?
まあ、すれ違いなら何回もあったが最初から最後まではなかなかない。
たまにはこういうのもいいな、と私は思った。