コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)イラスト有り ( No.21 )
日時: 2014/04/24 21:56
名前: 夕陽 (ID: atf90J33)

5話 みんなが向かったその先に……

「ここだよ」
 翔太が立ち止まってその館を見上げる。
 その館は、蔓があちこちにまきついており元々の色が全く見えない。門もさび付いていて簡単に壊れそうだった。
「…………」
 みんな、何も話さない。想像を超えるところだったので戸惑っているのだろう。
「ところで、何でここにつれてきたんだ?」
 綾乃は一番早くいつもの調子を取り戻した。
 疑っているわけではないが、信じることも出来ない……というような表情だ。
「それはね、」
 翔太はいったん区切り

「ここで異世界に巻き込まれた事があるからなんだ」

 詳しい説明はせず、一言で済ませる。
 呆気にとられていたが、
「……だから、ショウはオカルト研究部に、入った?」
 隼人の問いかけに
「ああ、そうだな。これ以上はいえないけれど」
 翔太はごまかさずに答えた。
「とにかく入りませんか〜?」
 紗奈の言葉で皆は館に入ろうとした。しかし、

「これ、開かないな」
 男子三人組みで押したがびくともしない。
 どうやら、新しい針金で固定されているようだ。
「そういえばここ、前事故あったような……」
 首をかしげて呟いた奈美の言葉に
「じゃあ、その影響かもな。とりあえず、今日は戻るか」
 皆は学校に戻った。

「そういえば、思いついたことがあるのだ!」
 部室に着くなり天使は叫んだ。
「思いついたこと、ですか?」
 美樹は不思議そうに首をかしげる。
「その事故が怪しいとおもうのだ! だからそれを調べるのだ!」
 机の上に乗っかりえへんと胸を張る。
 しかし、背丈が低いので皆に見下ろされていて威厳はないのだが。
「確かに、ちょっと気になるな。とりあえず調べてみよう」
 一回不思議な体験をした翔太は納得したように頷く。
「じゃあ、明日の議題は“事件を調べる”だ。今日は時間だし帰ろう」
 みんな片づけをはじめる中、天使は部室に設置されている小さな部屋に戻った。
「では、また明日なのだ!」
 そんな言葉を残して。
 他のメンバーも「じゃあね」や「また明日」と声をかけ部室を出た。