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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 イラスト・声有り ( No.42 )
日時: 2014/08/12 09:22
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

12話 悪魔強制契約

「悪魔強制契約について、学園に行くまでに話すね」
 翔太はそう前置きして話し始めた。

 悪魔強制契約とはその名の通り悪魔に強制的に契約できる方法のこと。
 その方法はオカルト研究部の日誌に書いてあったのを去年三年生だった先輩が見つけたという。
 その先輩は、悪魔強制契約についていろいろ調べた。
 結果、あることが分かったが、それを日誌に書くことなく先輩は卒業した。
 ただ、日誌にはおじいさんが知っているというような言葉が書かれていた。

「……これで終わり」
 翔太がそう締めくくると
「あんまり分かってねーんだな」
「勉強になりました!」
 二人の新入生がそれぞれ反応を返す。
「そろそろ学園、着きますよ〜?」
 紗奈がそう言って皆を促す。
「本当だ! 皆降りよ?」
 奈美はもう電車の座席を立っている。
「忘れ物、ないよね?」
 綾乃は忘れ物がないかチェックしている。
「じゃ、降りるぞ」
 駅に着いたので七人は電車を降りた。

「天使、どんな情報持ち帰っているかな?」
 翔太はわくわくした様子を抑えられないように告げる。
「部長、もう少し落ち着いて」
 副部長である綾乃が注意する。
 しかし彼女も少し楽しみであるのは同様のようで口元に小さな笑みを浮かべている。
「まあ行ってみれば分かりますよ〜、きっと」

 廊下は走らないという校則をぎりぎり守った速さで翔太たちは部室を目指した。
「天使いるか?」
 翔太が部室に入るなり出てきた言葉はこれだった。
「いるのだ! 情報をつかんだのだ!」
 その言葉に反応して突進してくるように出てくる天使。
「……知ってる。落ち着いて?」
「何で知ってるのだ!? 誰にも言ってないのに」
 隼人のなだめる言葉も逆効果だ。
「何でも知ってるおじいさんに聞いたからだよ。天使が情報をつかんだことをね」
「そうなのか……。それで新しい情報のことなのだ! 今から話すから聞くのだっ!」
 天使は“新しい情報”に関して興味深いものがあったようだ。
「ちなみにどんなのなんだ?」
 和輝が続きを促す。
「悪魔がいたのだ! しかも一人だけだったのだ!」
「つまり、そいつがアタシたちが呼び出した悪魔かもしれないってこと?」
「多分、そいつなのだ! だから明日行こうなのだ!」
 天使の提案に皆がいっせいに困った顔をする。
「ど、どうしたのだ……?」
 天使が不思議そうに訊ねる。
「実は明日はおじいさんの家で悪魔強制契約法について聞くんだ。明後日じゃダメかな?」
 翔太が代表して困ったわけを話す。
「本当は早く行きたいのだ……。でも用事なら仕方がないのだ」
 天使が納得してくれたので今日の部活はこれでお開きになった。