コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照1万感謝! ( No.47 )
- 日時: 2014/08/23 09:53
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
13話 紗奈の過去
「おじいさん、いますか?」
「いるぞ」
翔太がチャイムを押してインターホン越しに問うとおじいさんが出てきた。
まるで今来るのを分かっていたような登場に少し驚くがいつもそうなので気にしない。
「悪魔の強制契約について聞きにきました」
綾乃がそう言っておじいさんを見る。
「ああ、そうだったな。調べておいたぞ」
そういって手のひらサイズのメモ帳を差し出す。
そのメモ帳には悪魔の強制契約について方法が書かれていた。
「ありがとうございます」
翔太が代表でお礼を言う。
「その代わり何か不思議な話をしてくれ」
「分かってますよ。ただ、僕の話じゃだめでしょ?」
「そうだな。お前の3年ほど前の話はもう聞いたわい」
「じゃあ、誰か不思議な話できる人いる?」
「紗奈が、話します」
紗奈がいつもとは違う真剣な表情で言った。
その雰囲気に親友である奈美が息を呑む。
「本当に話すの?」
少し驚いたように聞く。
「うん、だって皆は不思議な話できないでしょ?」
「アタシも一応出来るわよ?」
「……僕も出来る」
「……でも、おじいさん満足するか分からないよ。私の話は満足させられると思う」
そう言って紗奈は微笑んだ。
「……紗奈ちゃん、一人称」
奈美が紗奈の一人称が変わったことに気付く。
そこで今の人格は“昔の”花谷紗奈ということも理解した。
「どういうこと、ですか?」
もちろん美樹も気付き奈美に問いかける。
「私の話、聞けば分かるよ」
そう言って紗奈は少し悲しげに微笑んだ。
「私は、昔消極的な子でした。そして私には友達がいました。ある時友達と肝試しをしました。私達は4人でまとまって行動しました。怖くても皆でいれば楽しい肝試しが終わった頃でした。あの化け物が現れたのは。化け物は私の友達の美菜をさらっていきました。そして美菜の存在は……消えました。……不思議な、話でしょ?」
「確かに不思議だ。その事が原因でオカルト研究部に入るなんてな」
紗奈が話し終わった時おじいさんが感想を言った。
「何の事ですか〜? これは紗奈の作り話ですよ〜?」
その瞬間いつもの笑顔で否定する。
その変化にびっくりしていたがこの話を前聞いたことがある奈美が
「そうだよね、作り話だよね」
と笑った。
皆のその言葉に
「まあ、そうだよな」
「ちょっとびっくりした」
「…………」
「こ、怖かったです!」
「流石に本当だったらびっくりする」
と安堵の言葉を漏らした。
その皆を見ておじいさんは
「ひよこはカピバラの話が本当だってことを知ってるな……」
と呟いていたが皆には聞こえてない。
「じゃあ強制契約法のやり方見るか」
部室に着くなり翔太が言った。
「紗奈も知りたいです〜」
紗奈も興味があったようで身を乗り出して聞く。
「言うぞ。はじめに悪魔を呼び出す。その後ハーブティーを飲ませる……だけみたい」
「なんだ、単純なのね」
翔太の言葉を聞いて綾乃が言った。
「まあ、単純と簡単は違いますけどね」
和輝が笑って言う。
「とにかく、やってみようよ! 明日!」
奈美が元気よく発言し
『賛成』
皆一致で賛成してその日の部活は終わった。
—END—
あとがき
結構暗い話ですみません。
次は参照10000突破記念で台本書きの番外編書きたいと思います。