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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照1万感謝! ( No.55 )
日時: 2014/09/21 12:42
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

番外編
魔術編〜堂本隼人〜

「これやってみなよ」

 後ろから覗き込んでたあやのが言う。

「じゃあ、これで」

 隼人が選んだのは


 ハイテンションになる


 だった。

「隼人がハイテンションか……。これ結構面白そうだな」
「確かに! 意外かも」

 翔太の言葉に奈美は何回も首を縦に振る。

「じゃあ早速やってみよ!」

 藤井先生は急かした。
 隼人はいつも通りの無表情で書いてあることを淡々と行う。


 それが終わると、

——特に何も変わらなかった。

『え?』
 隼人以外の全員が驚く中、

「あれ? そんなにほうけた顔してどうしちゃったの?」

 やけに饒舌な隼人が言葉を発する。
 テンションがすごく高いわけではないが、いつもに比べれば高いほうだ。……いつもが低すぎるだけかもしれないが。

「皆、どうしちゃったの?」

 隼人が首をかしげる。

「あのさ……」

 一番付き合いの長い綾乃が口を開く。
「どうしたの、アヤ?」

 隼人は綾乃のほうを向く。

「テンション高いのに、何で無表情なんだ?」

 そう、今綾乃を見ている目は全くの無表情だった。
 無表情なのに、すごく饒舌。それはいつも見ている無表情だったが、饒舌になった今はそれがすごく目立った。

「やっぱり、戻したほうがいいよね」

 無表情に言う。

「そういうわけじゃないけど、表情があったほうがいいな」

 綾乃は傷つけないように言葉を選んで言う。

「だよね。これ、変だよね」

 その顔は苦笑いも、困り笑いもすることはない。

「ここで失敗かしら。それとも……?」

 藤井先生は小さく呟く。その言葉は誰の耳にも届かない。

「ちなみにこれ、どれくらいで解けるの?」

 綾乃が聞く。すると、藤井先生が

「一時間くらい」

 即答した。

「そんなに?」
「確かにそう書いてありますよ。ここです」

 奈美が本を開きそこの文を指す。

「じゃあしばらく堂本君はそのテンションでいて。次は十月生まれの黒野さんね」

 藤井先生はそういって奈美を見た。

—To be continued—