コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照1万感謝! ( No.57 )
日時: 2014/09/21 12:42
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

番外編
魔術編〜黒野奈美〜

「私から?」

 奈美が藤井先生に問うと、

「ええ。花谷さんは3月生まれでしょ? 年齢順だと自然にそうなるのよ」

 藤井先生は当たり前というように返した。

「まあ、いいけどね」

 奈美は本を受け取りぺらぺらとめくる。

「あっ、これやりたい!!」

 奈美が目に留めたのは

 大人になれる

 だった。

「確かに黒野さんは子供っぽいもんね」
 藤井先生が納得したように言う。

「失礼な! 私は完璧に高校生でしょ!!」

 奈美は憤慨した。しかし奈美以外のオカルト研究部部員は
(確かに子供っぽいよな)
 と思っていた。

「とにかく、やってみようっと」

 切り替えが早いのが奈美のいいところでもう簡単に目を通している。

 ちなみにこの魔法はお酒を人差し指につけ、紙にその指で「大」と書けばいいという単純なものである。
 子供がやる魔法だったのでこんなに簡単なのだ。

「そういえば、ここにお酒ってあったっけ?」

 奈美はそういって首をかしげる。この部室にも小さい冷蔵庫はあるが、お酒は未成年は飲めないのでこの冷蔵庫は勿論職員室にもないだろう。(働いているときにお酒を飲んだらだめだろうし)

「いいわよ、私が買ってきてあげる」

 唯一の社会人が口を開く。そして、財布を持って部室を出た。

「ただいま!」

 元気よく藤井先生は帰ってきた。
 その手にはお酒が入っているコンビニの袋が握られている。

「ありがとう!」

 奈美は嬉しそうにお礼をいいお酒のプレタブを開ける。
 そして少しお皿に入れてそれに指を入れてお酒をつける。

「えっと紙はこれでいいかな?」

 近くにあった紙を使い「大」と書く。
 その瞬間、

——奈美の体が大きくなった。

 身長は160くらい。顔つきも少し大人びている。

「わぁ! 大人になれた!」

 嬉しそうに奈美は言う。
 身長も顔も少し変わったが性格は変わらないらしい。

「本当だね〜」
「黒野先輩、藤井先生と同い年に見えます!」
「そうだね。20代後半くらい」
「失礼な! まだ24歳ですよ」

 綾乃の言葉に藤井先生はいじける。
 そんな様子を笑顔で見ていた翔太がある提案をする。

「折角だしそれで散歩してみたら? おじいさんとかに会ってみたら驚くかもよ?」
「おじいさん? あの人まだいるの?」

 翔太の言葉に藤井先生が反応する。

「あれ? 藤井先生も知ってるの?」

 その反応に目ざとく気付いた和輝が訊く。

「ええ。だって私この学園出身だもの。それに元オカルト研究部員よ?」
「え、そうだったんだ……」

 いまだに魔法の効果が残っている隼人が驚いて言う。
 他の皆も口には出さないが驚いているようだ。

「うん、じゃあ行こうかな」

 奈美がそう呟いた時、

——また奈美はいつもの奈美に戻ってしまった。

「あーあ、残念……」

 奈美は残念そうに呟く。

「でも紗奈はこっちの奈美ちゃんの方が好きですよ〜?」

 紗奈はそう言って優しい笑みを浮かべる。

「そうだよね! こっちの方がいいよね!」

 奈美も納得して笑った。

「じゃあ次は花谷さんね。どんな魔法かしら?」

 藤井先生は紗奈に本を渡しつつ言った。

—To be continued—