コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照1.5万感謝! ( No.60 )
- 日時: 2014/10/05 13:01
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
16話 悪魔が知っている事
「じゃあ悪魔が知っている事教えてよ!」
翔太が聞くと悪魔は
「いいがあまり多くのことは知っていない」
と答えた。
「でも僕たちよりは多くのことを知っているはずなのだ!」
天使はそう言って翔太と悪魔の会話に割り込む。
「そうかも知れぬが……」
「いいから早く話しなさい! 時間はそんなにないんだから!」
お茶を濁す悪魔を綾乃が叱る。
実際部活動時間はあと30分くらいで終わってしまう。
「でも明日もありますしそんなに怒らないであげてください!」
美樹はそう言って涙目で綾乃を見ると
「確かにそうだけど……」
と納得いかなさそうな表情で渋々引き下がる。
その様子を見て美樹はほっとしたように息をはく。
「でも紗奈は早く知りたいな〜。悪魔さんの情報〜」
紗奈はほんわかした笑顔で悪魔に言う。
裏なんか感じさせない無邪気な笑顔だ。
「じゃあ話すぞ? そんなに多くはないからな……」
そう前置きして話した内容は確かに多くなかった。
はじめに悪魔がこの世界に来た理由は“見えない力に引っ張られたから”だそうだ。
そしてこの世界に来た悪魔は自分を探している人を探したが見つからなかった。
普通は自分を探している人がいるからこの世界に来るはずなのに探している人がいない、この状況に悪魔は混乱した。
しかし、翔太たちに呼び出され一時は安心した。
この人たちが俺を呼んだのだと思い込んでいた。
でも、事実は違った。
悪魔がいたから呼ばれただけだった。
順序が逆なのだ。
そのため、他の契約者を探そうとしたが見つからず再び翔太たちに呼び出された。
それで勝負を挑まれて強制契約された。
「……これで全てだ。俺を探しても意味なかっただろう?」
自嘲気味に笑ってこの世界に来た理由を話し終える。
「いや、少し分かったよ。ありがとう!」
翔太はその言葉に笑顔で感謝の言葉を伝える。
その笑顔は曇りがなく嘘偽りを言っているようには見えなかった。
それを見て悪魔は少し温かい気持ちになった。
—END—