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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.62 )
日時: 2014/11/19 16:23
名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)

17話 元の世界に戻るには?

「今日は元の世界に戻る方法を話し合おうと思う」

 翔太は皆をぐるりと見回し大きい声で宣言する。

「でもどうやって戻るかヒントがないと無理よ?」

 綾乃は手を挙げて発言すると美樹も

「確かに、どうするんですか?」

 翔太を見る。
 見られた翔太は

「悪魔が言っていた見えない力。その正体を解き明かせば帰れるのではないかと僕は思うんだ」

 堂々と答える。
 その答えにオカルト研究部の面々は納得していたが一人、納得していないものがいた。

「しかし、その正体を解き明かすのは難しいと思うぞ?」

 悪魔だ。
 実際その体験をしたが魔法に敏感な悪魔にも全く魔法の力を感じなかった。
 今まで信じていなかった運命という言葉を信じかけたくらい強い力だった。

「……なんでそう思う?」

 その言葉に隼人が不思議そうに訊ねる。
 やってみないと分からない、と小さく付け加える。

「実際その力を受けたが魔法という感じではなかった。魔法が手作りのおにぎりだとしたらその力は冷凍食品。その力は悪魔や天使のものではない」
「簡単に言うと使い手が機械の可能性があるって言うことなのだ!」

 悪魔の説明に天使が補足する。

「機械の使い手だとまずいことでもあるのかよ?」

 背もたれに寄りかかって二人に訊ねたのは和輝。

「ああ。機械だとどこで魔法を使っているか分からない。だから探すのも面倒だ」

 詳しく説明すると

「なるほどな。そういうことか」

 和輝はあっさり引き下がる。

「でも、どうするんですか〜? 手がかり全くないのですか〜?」

 これ以上会議が進まないと思ったときに発せられたふわふわした声。

「そうだよ! 手がかりくらいないの!?」

 そしてそれに同調するような幼い声に

「……あのおじいさんなら、知っているかも」

 隼人がふと思い出したように呟く。

「おじいさん? 誰だ?」

 よく分かってないような悪魔に翔太は簡単におじいさんの説明をする。
 その説明を聞き悪魔は疑わしそうに眉を寄せた。

「そいつは本当に人間なのか?」

 何年も前から年をとらず、生きている。
 それには人外の力が働いているのではないか、と悪魔は推測を述べた。

「でも、魔法のにおいはしなかったのだ!」

 天使は飛び跳ねて自分の意見を主張する。
 しかし悪魔は信用してないように天使を見る。

「機械があれば別だろ。そいつが怪しいんじゃねーか?」

 悪魔は自分の意見を変えるつもりはないようだ。
 両者の間に険悪な空気が漂う。

「あ、あの……。とりあえずおじいさんに会いに行ってみませんか? それで怪しいかどうか悪魔さんに判断していただければいいことですし……」

 その空気を感じたのか少し涙目で悪魔に提案する。
 悪魔はその提案に

「確かにそうだな」

 とさっきまで天使とにらみ合っていた時とは違う厳しい表情になる。

——もし怪しければ何が何でももとの世界に変える方法を聞こう。

 そう顔に書いてあるようだった。

 そしてまたおじいさんの家に訪ねることになった。

—END—