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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.67 )
日時: 2014/12/27 23:05
名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)

19話 おじいさんの悪魔

「ただ、あいつは今どこにいるか分からない」

 おじいさんは重々しく呟く。
 電気の照明も絞ってあるからか暗い雰囲気が彼らを包む。

「名はなんと言う?」

 悪魔がおじいさんに聞いた。

「名は確か——」

 思い出すように宙をさまよう。
 その視線がドアに釘付けになる。

「確か、ポフト。どこかの国の言葉で“ドア”という意味じゃった」
『ポフト!?』

 その名に天使と悪魔が食いつく。
 尋常でないあわてぶりに翔太と綾乃は驚いた。

「知っているのか?」
「有名なの?」
「ポフトは僕の同級生なのだ!」
「俺の後輩でもある」
「同級生って……。天使と悪魔も学校一緒なのか?」
「そうなのだ!」

 どうやら顔なじみらしいということにおじいさんは気付くと二人にこう頼んだ。

「彼に伝えてくれ。わしに、もう機械は必要ないと。実際これを使っても長生きするだけ。周りのものはいなくなるのにその悲しみを味わい続けることしかできない。壊そうとしても壊れなくて困っていたのじゃ」
「確かに魔法の道具はこっちの世界のものじゃ壊れないもんな」
「了解なのだ! とりあえず、連絡してみるのだ!」

 天使がどこからか取り出した携帯でポフトに連絡する。
 永遠にも続くと感じたコール音はすぐに止んだ。

「もしもし天使なのだ!」

 これで誰か分かるのか? と皆は一瞬思ったが気にしない。
 皆天使か悪魔だし分からないだろうに。

「そうなのだ! 入学式の日遅れてきて更にクラスを間違えた天使なのだ!」

 どうやら伝わったらしい。

「っていうか天使、入学早々事件起こしてるのか……」
「確かに。まあ天使らしいけど」

 後ろでこっそり話している二人。
 しかし天使は気にもとめず話し続ける。

「それで今どっちの世界にいるのだ? あ、こっちなのか? じゃあ来てほしいのだ! 場所はおじいさんの家なのだ!」
「これで伝わるのかな?」
「大丈夫でしょ、多分」
「ああ、大丈夫じゃ。彼らはイメージも送ることができるからな」

 二人の話し合いにおじいさんが参加する。
 天使たちはすごいな、と人間組が感心している間に天使は電話を切った。

「これで大丈夫なのだ! すぐに来てくれるのだ!」

 天使の笑顔に皆はどうなるのか期待と不安が混じった気持ちになった。