コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.70 )
- 日時: 2015/01/12 14:58
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
番外編
行事編〜森園綾乃〜
バレンタイン。
それは2月14日にある出来事だ。
そんなこと、誰でも知っている位当たり前のことかもしれないけど。
それと同じくらい知られていること。
バレンタインは、女の子が好きな人にチョコを送る日だ。
今年こそ! と気合をこめチョコを包んだ箱を胸に抱える。
今まで大変な苦労の末できたものだ。
友チョコは美樹ちゃんと一緒に作って本命チョコは一人で作ったのだけど途中で実の兄から妨害を受けていたのだ。
——全く。過保護なのもいい加減にしてほしいな。
いつも思っているが言っても何も変わらないのでため息とともに封じている。
とりあえず今年こそは、好きな人にチョコをあげるんだ!
* * *
「美樹ちゃん、遅れてごめん!」
いつもはアタシが美樹ちゃんの家に迎えに行くのにそわそわしすぎて美樹ちゃんが家に迎えに来てくれた。
「いえ、こちらこそ早くきすぎてごめんなさい!」
美樹ちゃんもなぜか謝ってくれた。
今回はどう考えてもアタシが悪いのに。
「じゃあ行きましょ」
ここでループすると本格的に時間がなくなるのでいつもより少し早足で駅に向かった。
* * *
「はあ」
アタシは今日で何度目か分からないため息をはく。
時間は放課後。
部活もないからすぐ下校、の予定だったが渡しそびれたチョコが心残りだ。
いっそ去年のように食べてしまおうか。
でも去年よりがんばって作ったチョコを好きな人に食べてもらいたいし……。
「あー、もうどうすればいいの!」
机に伏せて大声をあげる。
涙が出てきそうだがそれはぐっとこらえる。
「……アヤ?」
そのとき、不意に今思っていた人の声がした。
ゆっくり顔を上げるとやはり幼馴染である隼人だった。
「……どうした?」
それはこっちの台詞だ。
一体何故教室に?
「隼人こそなんでここにいるの?」
「……忘れ物。アヤは?」
「……いろいろ」
お茶を濁し会話を切り上げる。
「そういえばさ」
少し緊張気味に切り出す。
隼人は忘れ物を持って帰ろうとしていたがその言葉に動きを止めた。
「……何?」
「えっと、あの……」
言葉が続かない。
しばらく無音の時間が流れる。
「これ、あげる」
私は全ての勇気を振り絞ってこの言葉を言った。
「いつもお世話になっているお礼」
でもやっぱり本命とは言いづらくて誤魔化してしまう。
「……ありがとう」
嬉しいような悲しいような顔で隼人はお礼を言った。
本命とは言えなかったけれど、チョコを渡せたからよかった。
来年は、言えたらいいな。
——あなたのことが好きです
って。
* * *
あとがき
バレンタイン編でした!
ちょっと早いですが……。
オカルト研究部の中での恋愛関係は一応隼人&綾乃が両片思い、和輝が美樹に片思いって感じなんですよね。
和輝&美樹でもよかったのですが美樹はあげなさそうだなと思いこの二人にしました!