コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.72 )
- 日時: 2015/02/01 18:05
- 名前: 夕陽 (ID: 9RGzBqtH)
番外編
行事編〜堂本隼人〜
3月14日。
デジタル時計に表示された日付は確かにそう示していた。
1か月前、綾乃にもらったチョコレートのお返しをしようとこの前の日曜日買ってきたクッキーを鞄にいれる。
お世話になっているお礼にしては手がこっているチョコを貰ったので自分はそこらへんに売っているチョコというのも気が引ける。
そのため、少し遠出してきたのだ。
* * *
放課後になり部活場所に行く。
翔太と綾乃、美樹と和輝は既に来ていたが紗奈と奈美はまだなようだ。
「隼人も来たね。あとは2年生の二人だけか」
翔太が隼人を見るなりそう言った。
「……遅くなってごめん」
隼人が申し訳なさそうに言う。
「あ、ごめん。皮肉に聞こえちゃった? そういう意味じゃないんだ」
翔太が少し困ったように言うと、
「……別にそうとは思っていない」
隼人は否定する。
無感情な声だが、別に怒っているというわけでもない。
「それなら良かった」
翔太はホッとして呟く。
「遅れてすみません〜」
「遅れてすみません!」
同じ言葉なのに片方はなぜかゆっくりしていたように聞こえてしまい、もう片方は急いでいる様に聞こえる。
ただ単に紗奈のゆっくりした口調が原因だろうが……。
「大丈夫だよ。じゃあ部活始めようか」
翔太の言葉でみんなはいつもどおり部活を始めた。
* * *
帰り道。
隼人は綾乃と一緒に帰っていた。
方向は逆方向というわけでもないが多少遠回り程度でそこまで負担がないからだ。
いつもは翔太と美樹と一緒に帰るのだが、今日は彼らも用事があるらしく一緒ではない。
「そういえば今日は部長なにか用事あるの?」
「……うん」
「そっか。最近部長会議とか多いって言っていたもんなあ。美樹ちゃんもなにか用事あるみたいだったし……」
「……そうなんだ」
そこで会話が途切れる。
いつもは翔太が反応したり、美樹に綾乃が話を振ったりして賑やかなのだが今回はその二人がいない。
「……あのさ、これあげる。この前のお返し」
気まずい沈黙を破るように鞄からチョコを出す。
あまり綾乃は甘いものが好きじゃないのでブラックチョコレートだ。
「あ、ありがとう……」
いきなりのことで驚いたのか目を白黒させる彩乃にそれを押し付ける。
「こっちこそ前はありがとう」
隼人はこういう時感情を表せない事を悔やむ。
——もし今感情があれば笑顔で渡すのに。
「覚えてくれてありがとう!」
——彼女みたいな綺麗な笑顔かは分からないけど。
「じゃあね」
ちょうど綾乃の住むマンションにつく。
隼人の住んでいるところはもう少し先だ。
——いつかアヤみたいに笑いたい。
綾乃の笑顔は本当に楽しそうだから。
いつでも隼人を元気にしてくれるから。
夕焼けに染まった空を見上げながら隼人はそう思った。
* * *
あとがき
綾乃がバレンタインだったので隼人はホワイトデーにしようと思いこうなりました。
ただ前回と同じく甘くないです←
ちなみにホワイトデーは私の誕生日です。(←どうでもいい)
なのでほかの人より年とるのが遅いんですよねw
番外編の次回は奈美が主役です。
奈美にぴったりな行事……こどもの日?
奈美が聞いたら「こどもじゃないもん!」って言いそうですがw
まだ決まったわけではないですが……。