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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!(合作)短編投票実施 ( No.8 )
日時: 2014/04/05 08:22
名前: 夕陽 (ID: 4fHAeWMT)

二話 顔合わせ(翔太視点)

 僕がドアを開けると、いつものメンバーは皆集まっていた。
 どうやら、いつものメンバーに加え僕の後ろにいる女の子と中に入って緊張なんて全くしてませんみたいな男の子が仮入部の子だろう。
「とりあえず、自己紹介を始めるか」
 僕の言葉でまず、副部長がお手本を示す。
「森園綾乃という。オカルト研究部の副部長だ。皆よろしく」
 うん、なんか言葉だけ聞いていると彼女が部長でもいいんじゃないか? 僕は半年部長をやっているが、ここまで堂々とは出来ない。
 そこで彼女は僕の後ろに目を留める。
「あれ? 美樹ちゃん? ここに入ってくれたの!?」
 どうやら、知り合いのようだがなんか彼女の壊れっぷりがすごい。
 美樹の髪をなでたり、抱きついたり……。僕らの知っている副部長とは全く違う。そんな視線に気付いたのか、綾乃は
「ごほん、とにかくよろしく」
 と強引に終わらせたが、僕はさっきの綾乃のことを忘れないと思う。
「じゃあ次は、僕が。僕は相川翔太。この部活の部長だ。2,3年生はこれからもよろしくな。1年生も出来れば入ってくれると嬉しい」
 この学校では見学は1週間もとってあるのに仮入部は1日だけだ。
 学校曰く、「部活動は最低でも4月第三金曜日からはじめたい」といっているが、だったら見学の日にちを減らせよと思う。
 なぜかこの学校では押されているボランティア部や普通の部活(野球・バスケなど)じゃない限り、部員を入れるのは難しいし。
「じゃあ、次は僕から時計回りで自己紹介してくれないかな?」
 ちなみにこの部活のテーブルは魔方陣が落書きされている円いものだ。魔方陣を書いたのは僕たちの二つ上の先輩らしい。
 並び順は隼人、紗菜、奈美、美樹、あと名前の知らぬ一年生。
「僕は、堂本隼人。よろしく」
 淡々という隼人。こいつははじめてあったときからこうだったなあ。
「紗菜はね〜、花谷紗菜っていうの。皆よろしくね〜」
 うん、まあマイペース過ぎるけど悪いやつじゃない。
「私は黒野奈美。中学生に間違われるけど、高校二年生だからね」
 低い身長がコンプレックスの奈美。この学園は中高一貫なので、中学生と高校生が集まる時、必ず中学生はこっちだよといわれるらしい。そのたびに「私は高校生だから!」と学生証を見せると教師は納得いかなそうにその場を去るという。
「し、新庄美樹です……。えっと、あの、よ、よろしくお願いします!」
 結構緊張してるなあ。この子はどうやら恥ずかしがりやなようだ。
「あ、俺樽井和輝っていいます。よろしくお願いします」
 どうやら彼の名前は樽井和輝というようだ。こっちは全く緊張していないのびのびとした態度で挨拶している。
「じゃあ、いつもの通りオカルトについて会議しようか」
 僕はみんなをみわたし言う。そこで、目を白黒させている一年生に
「ああ、ごめん。実は僕たち今魔方陣から何かを呼び出す事について会議してたんだ」
 ここにいる半分はオカルトを信じている。
 でも、残りの半分は信じているというより、楽しんでいる。
 僕は信じている派だ。あんな事を経験したしな。
「はい〜、今日こそ魔物を呼び出したいです〜」
 僕と同じように信じる派の紗菜が賛成する。
「アタシも、協力する」
 綾乃もこっちの人間だ。
「え? 今から魔獣召喚するんですか?」
 目をいっぱいに開く美樹。
「まあね。手順とかはインターネットで調べたり、本を読んだりして調べたんだ。どうする? 君もできる?」
 僕は試すように言う。さっき美樹はオカルトが好きといっていた。どれくらいすきなんだろう?
「すいません……。召喚系はちょっと……。ホラー系なら好きですが」
 どうやら、美樹はオカルトといってもホラーが好きらしい。
「そうか、じゃあ和輝は?」
 なんかすごく殺気を感じるんだけど……。和輝の方から。
「新庄に話しかけるなんて……」
 なんかわら人形にくいを打ち付けそうな勢いだ。
 ……すごく寒気がするのはこのせいだろうか?
「とにかく、召喚しましょ。はじめての実戦、ワクワクしちゃう」
 副部長の号令で召喚の準備を始めた。