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Re: オカルト研究部には天使がいるっ!合作 参照2万感謝! ( No.83 )
日時: 2015/12/12 22:30
名前: 夕陽 (ID: rBo/LDwv)

27話 天界の世界へ

「それじゃ、ばいばい」

 ポフトはそう言って瞬時に消えた。

「あ!」

 天使が声を上げたがその時にはそこには既にポフトの姿がない。

「追いかけなくちゃ……!」

 夢から覚めたように我に返った綾乃が言う。

「でも、どうやって?」

 翔太は困ったように眉根を寄せた。

「天界につながる道なんてこの辺にはないのだ……」

 天使は今にも泣きそうだ。
 もう帰れないことを覚悟しようとしているのかもしれない。

「……あるかもしれない」

 突然隼人が淡々と言った。

「どういうこと!?」

 その言葉に綾乃が反応する。

「……みんなには言ってなかったけれど、昔、天界にいったことがあるんだ」

 隼人が話すには隼人が小さい頃、天界にいったことがあるらしい。
 そしてその方法はとても簡単だった。

——帰ることが困難ということを除けば。

 帰る条件として隼人は表情と声の一部を奪われた。

「……それでもいいなら、方法教える」
「確かに子供なら天界に行ける方法はあると聞いたことがある。ただ、それは子供の純粋さがなくてはならない。……高校生だと厳しいのではないか」

 隼人の提案に疑問点を挙げる悪魔。

「きっと大丈夫なのだ! 天界への出入りが許可されているものなら」

 天使は二人をじっと見る。

「樽井君と私ですか?」
「まあ俺はいいけど」
「わ、私もいきます! 行かせて下さい!」

 美樹はその視線に気付くと和輝とアイコンタクトをとる。
 和輝が了承するのは美樹には分かっていたが、少し心配だったのだ。

「……じゃあ教える」

 隼人はこれからやることを淡々と言葉にした。

     *     *     *

「これでいいんですか?」

 美樹は何度目か分からない質問をする。

「……大丈夫」

 美樹の小指に青いリボンが巻いてあるのを見て隼人は頷く。

「じゃあ、あとは特定の時刻が来るのを待つだけだな」

 和輝も同じように青いリボンを小指に巻いていた。

 ちなみに特定の時刻とは分の1桁目と秒の二桁がぞろ目になった時のことだ。例えば15時45分なら55秒の時というように。
 今は18時24分のため、次の特定の時刻は18時25分55秒だ。

 そしてその時間まで、5秒。

 4秒。

 3秒。

 2秒。

 1秒。

 二人の姿が消えた。

「美樹ちゃん大丈夫かな」

 少し心配そうに綾乃が言う。

「大丈夫だと思いますよ」
「うん、だって頭いい樽井君と優しい美樹ちゃんだもん」

 紗奈と奈美は元気付けるように言う。

「とりあえず僕達はポフトがこの世界にいないか調べてみよう。もしかしたら天界に行くと見せかけてまだ残っているかもしれない」

 翔太の言葉に残りの皆は賛成した。