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生まれたくなかったと言った少年は、大声で泣いた。
泣いたって変わらないこと。
願ったって変わらないこと。
全部わかっている。
それでも、仕方ないだろう？
少女は驚いたように少年を見つめた。少年が泣くのを見るのはずっと昔の記憶から消えているからだ。

リセットしたい。心からそう思った。

「ねえ、そこの二人。」
そこにやってきた、一人の青年。青年は少年と少女に手を差し伸べる。
「……お前っ…誰だよっ…！姉ちゃんに近づくな！！」
少年は泣きながら少女の前に立って抵抗する。
青年はそれに苛立ち、少年を突き飛ばす。
「ちょっと…！弟に何するんですか！」
少女は青年を睨む。

しかし青年は、少女の心を揺さぶる魔法のコトバを口にした。

「君さ、この世界が嫌いならーーーーーーーーーーー




僕と一緒に、未来を変えてしまわないかい？」






少女と少年の歯車が、小さく音を立てて狂い始めた。