コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 未来へ幸せを〜この夢を終わらせないで〜《キャラ人気投票中》 ( No.103 )
日時: 2014/05/18 16:22
名前: みにょ (ID: FpNTyiBw)

どれくらい掘り続けていただろうか。
私の手はもう茶色く汚れていた。
しかし、その甲斐あってか、あのコスモスが見つかった。まだ要は起きないし、遥も帰って来ていない。
コスモスは元の色こそ枯れていたためわからないが、土に埋れた今、更に茶色く変色していた。もうコスモスなのかどうかも危うくなっている。
それに、茎はへし折れ、花所々破けておまけに枯れているとなれば、なんだかこの花が哀れになってくるほどだ。
「…なんか、おかしいね。」
花は喋らないなんて、基礎の基礎すぎて重要視されないが、私はコスモスに話かける。コスモスが、夜風にあたって揺れた。まるで頷いているみたいだ。
「私ね、大好きな人がいるの。」
聞いてくれたら、それは私にとって、何よりも幸せなことである。


「その人はね、ずっと辛い思いをしてきたの。多分、私じゃ全然わからないくらい。それなのに、そんなの微塵も感じさせなくて、とても強いんだ。
けど、泣きたいはずなんだよ。
辛くてどうしようもなくなって、信じたくない。
その人ほどじゃないけど、私もそういう時期あったもん。多分あたってる。
……どうして、その気持ち隠すのか、私にはわからない。
私に迷惑かかるからとか思っているんだろうけど、そういうところは馬鹿だよねー。頼ってくれちゃって、問題無しなのにさぁ?
本当、わけわかんない!
馬鹿みたいだよ。おかしい!」
私は一度話を止める。コスモスの隣に座り、立てた膝に顔をうずめると、目の前は真っ暗になった。
優葉がいた未来は、きっとこんな風に暗いんだろう。

「なのに、私はその人が好きなんだ。」

好きで好きで、たまらない。
ずっと一緒にいたい。
けれどそれは叶わないことだから。
私は何も伝えない。伝えたら、優葉を苦しませてしまう。
「その人のために、私、頑張ってあなたを見つけたんだよ…?」
まだだ。まだ、ないちゃいけない。
「…なのに、なんで叶えてくれないのっ…!」
膝を抱えて、声を殺して。
私は泣いた。楽に、なりたかった。
「ねえ、叶えてよぉ…。私のお願い、叶えてよぉ…!」
苦しいよ。
胸が、苦しいよ。
涙が…止まらない。














「…ごめんなっ……日泉っ…!」



少年もまた、涙を流した。