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Re: 未来へ幸せを〜この夢を終わらせないで〜《キャラ人気投票中》 ( No.105 )
日時: 2014/05/20 16:08
名前: みにょ (ID: IqVXZA8s)

涙がやっと止まって、しばらくする。
だが、私はコスモスの隣から動いていない。コスモスはもう復活は無理だろう。
願いも、叶えてくれない。
嘘の願いを、叶えたから。
本当の願いは、叶えてくれない。
「…ごめんね。あなたは、悪くないはずなのに。」
花に謝る私は、随分と滑稽だろうか。


「おーい!茜ぇー!」
遥の声だ。
さっきよりも、足音が多い。
「茜、忽那!大丈夫かー!」
この声は、青。私はそれだけで、安心する。
母さんも、心配しているだろうか。
「忽那、来たよ。」
うっすら目を開ける忽那を起こす。
うぅ…と寝返りを打つ彼は、やはり幼かった。
どうやら、私の周りには歳の割りには幼い男子しかいないようだ。
「いっ…!」
忽那が小さく呻く。痛むのだろう。足に痣ができ、そこを抑えて耐えている。
これじゃあ、忽那は動けない。
「誰か!大人の人いますか?!男の子が動けないんです!」
大人なら、忽那を抱えて木を超えられるかもしれない。私がここにいたのは忽那を一人にしないためだし、私の力では同い年の男子を抱えるなんてできなかった。
「俺が行く!」
ひときわ目立つ男性の声がして、木と靴のこすれる音がする。
私は忽那を支えるようにして待った。

数秒してから、男性がこちら側に降りた。左頬の火傷の傷が印象的なその男性は、忽那に手を差し出す。
しかし、忽那は一行に顔を上げようとしない。
「…忽那?」
うつむいたままの忽那の顔を覗く。
目は見開かれ、肩が震えていた。
私は困ったように男性を見つめる。
男性は私と目を合わせてから差し出した手を、忽那の肩へ伸ばした。
…と、その時。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーパシィッ………





忽那が、男性を睨みつけて手をはたいた。