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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 未来へ幸せを〜この夢を終わらせないで〜《キャラ人気投票中》 ( No.113 )
- 日時: 2014/05/31 15:27
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
「忽那のばあちゃんは、花を探してもらうより、そばにいてほしいんじゃないのかな。」
青は少しかがんで、忽那に目を合わせる。からかう時とか、そういう時の目じゃなく、優しくて、本当に忽那と忽那のおばあちゃんをおもっている目。
本気が、伝わってきた。
一方、忽那は驚いたように固まり、その目を見つめ返した。
「……なんで、そう言えるの?」
つぶやくように、小さく言葉を吐き出す。忽那の苦しそうに細められた瞳に、涙がたまっていった。普段こういうとこで泣かない彼のことだ。きっと、原因は青に迫られたからじゃない。
「強いて言えば、経験からかな。」
それは、私と青のおばあちゃんの経験から?
聞こうと開いた口が、言葉を失ってまた閉じた。
浅い記憶の奥。
青が泣きながら、謝罪を繰り返していて。
その先には、親戚たちがいて。
青の震える小さな背中に背を向ける父さんがいて。
母さんが父さんの背中を睨みつけていて……
母さんは、青が泣いているのに、気づかなかった。
私はおばあちゃんの絵を持って、それを見つめていたんだ。
「ばあちゃんは、家に帰りたいって言ってた。」
「うん。」
「花を探して、ばあちゃんを家に帰らせるはずだった。」
「うん。」
「それなのに、なんでばあちゃんはそばにいてほしいなんて……。」
「花なんかより、忽那に会いたかったんだよ。」
青と忽那の、反対の意見。
けれど、どこか似ている。
「……ばあちゃんがいなくなったら、俺、どこに行けばいい?」
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