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Re: 未来へ幸せを〜この夢を終わらせないで〜《参照600感謝!》 ( No.115 )
日時: 2014/06/06 23:00
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

それは多分、忽那の弱音で、本心だ。大人の家……孤児院は彼にとって家じゃない。家族がいてこそ、そこは家になる。
忽那の唯一の家族が、おばあちゃんだったというだけのこと。
「……あの……。」
唐突に、男性が弱々しく口を挟んだ。忽那は顔を上げて男性を見つめ、青も男性に注目する。もちろん私も、男性に目を向けた。
男性は三人の視線に申し訳なさそうな表情をした後、真剣な顔をする。
どうやら、その見つめる先は忽那らしい。忽那はたまったまましたにたれない涙を荒くぬぐい、見つめ返す。
「いいたいことあるんなら早く言ってくれませんか。」
忽那の厳しい意見に、男性はうっと息を詰まらせた。
忽那は助けてくれた人にこんな酷いことを言うような人じゃない。きっと、何らかの理由があり、こうして男性を睨みつけている。
それだけは何と無くわかった。
「……要君……は、俺のことわかるかい?」
要君……男性は忽那のことをそう言った。忽那は苛立ちをあらわにし、目を細める。青は気まずそうにうつむいているから、私だけが知らない秘密が、三人の中にあることは明らかだ。
「わかるよ。久しぶりだね。








父さん。」
私の中の引っかかっていた部分が、一瞬にして紐解けた瞬間だった。