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「優……葉っ……」
ハラハラと、少女の涙が地面に落ちる。誰の血かもわからない赤い液体と混ざった涙は、やはり赤に支配されていく。
気絶した少年は青年に抱えられており、苦しいのか眉を寄せていた。
少女は目を見開き、青年と少年を見つめる。
信じられない。
信じられない。
母さんも、父さんもなくしたのに。
今度は、弟までも…この世界は奪うの？
全てを、この世界は奪ってしまうの？

理不尽ではないだろうか。
あぁ……私はやっぱり……

この世界が、憎くて恨めしいんだ。

「こんな……こんな世界……一層の事なら……」
少女の目から光が失われたのと同時に、青年はにやりと笑った。