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Re: 夢のような未来を実現したいっ! ( No.14 )
日時: 2014/04/12 23:15
名前: みにょ (ID: 0.f9MyDB)

小さく寝息が聞こえる。時刻は午後五時。もうすぐ青も帰るだろう。優葉はソファで寝ていた。母さんは二階の部屋で寝ているはず。つまり、起きているのは私だけ。正直暇だし、優葉を起こして話をしたい気分だ。
…って、
「何考えてんの私はぁっ?!」
少女漫画じゃあるまいし、優葉が私を王子様のように守るとは限らない。なのにどうしてこんなにも優葉といると安心して、話さないと不安なのだろう。
話をしたい気分って何っ!こんな幼い男子に、何を話すの?!
「はぁ…。」
優葉といると、調子が狂う。私はおもむろに立ち上がりお風呂を洗い始めようと風呂場に向かった。
が。
「千咲っ…。」
「…優葉…?」
ソファの上で優葉が声を出す。前にもあった。前は確かごめんだっただろうか。何か、悪夢を見ているのかもしれない。しかし、千咲は人名だ。それも女子の。
チクリと、心が痛む。

何、やってんだろ。
優葉にだって、女の子の友達くらいいるだろう。もしかしたら、彼女とかいるのかもしれないじゃないか。

「…ごめんなさい……だからっ…!」
はっと優葉が目を覚ます。その瞳と私は視線を交わした。私の頬が、熱くなっていく。
「…ごめん、寝ちゃったね。」
優葉にしては冷たい声だ。やはり、悪夢にうなされていたのだろう。私は何故か目を逸らし、拳を握りしめた。
心が痛いよ。優葉。教えてっ…。
「ねぇ!」
起き上がる優葉に、私は叫ぶ。優葉の耳が震えて、素直にしゅんとした。強く言い過ぎたかもしれない。でも、聞かなきゃ。優葉がどんな夢を見て、どんな人と関わって、何を感じたのか。
「何?」
「優葉は…」
ピーンポーン♪





インターホンのKY!!!
「まぁ、いいや。後で話す。」
私がそう言うと、優葉はうん。とだけ素っ気ない返事をした。
でも、私はちゃんと見たよ。

優葉の頬に、一筋の涙が伝っていたのを。