コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 夢のような未来を実現したいっ! ( No.19 )
- 日時: 2014/04/24 20:11
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
三章 助けられたら
あなたが悪いよ。
あなたが、彼のことをわかってあげられないから。
だから彼は苦しんでしまう。
じゃぁ、どうすればいいの?
あなたが彼のことをわかってあげればいいの。
…私には、できなかったから。
だからお願い。
彼を…優葉を助けてあげて。
あなたは誰…?
夢を見たんだ。たくさんの人が倒れて苦しんでいる世界の中心。夕暮れでオレンジに染まった世界の中心。
居心地が悪い。
けれど、その子は決まってそこにいた。あいつと同じ茶色い短い髪をサイドテールにして、その子は笑う。
あいつと同じ、ブラックホールみたいな瞳で、涙を流す。
そう、あいつとあの子は似ている。どこか困ったように笑うとこも、吸い込まれそうな瞳も、全て。
そんなあの子は、似ているあいつの話をする。
優葉を助けてあげて
重たい瞼を開ける。同じことを昨日も一昨日もやったけれど、今日をはじめるためには、やらなければならない。
七時、起床。
私は収まってきた夏の暑さに少し寂しさを感じていた。
夏休みが終わったのはついこの間。久々に会った友人は、変わっていなかった。田舎でも都会でもないこの町にだって、小学校がある。私立稲田小学校。
そこそこいい学年だとは思う。
「おはよう、母さん…。」パジャマのまま、隣の母の部屋を尋ねる。母は布団から起き上がり、おはようーと呑気に笑った。
私の母、京子は基本的にホワホワの呑気の、周りに花が舞っていそうな人だ。だが、発作で倒れても呑気なのはやめてほしい。
「さっき青も下おりてったわよ。」
「あら珍しい〜!青が自分から起きるなんて。」
青は寝起きが悪い。一人で起きるなんて、滅多にないはずだ。何かあったのだろうか。
「優葉君は一回起きたけれど、また部屋に篭っているのよねー。」
「そっか…。ありがとう。じゃあ、学校行ってきます。」
私は階段を降りる。
「気をつけてね。」
「はぁい!」
あの一件から、優葉は私を避けている。いつも部屋に篭って、ぼーっとしているのだ。
理由はわからない。
しかし私だって、気になることは多々あった。
まず一つ目。
千咲とは何者か。だ。
戦争止めるために人を消すあんたに、俺は負ける気がしないから。
千咲にも言っておいてよ。
確かにあの時、優葉の口から千咲という言葉がでた。
千咲という人は、未来にいるであろうことはわかったが、しかしひとつ、わからないことがある。
その千咲は、戦争を止めるために過去の人を消す人なのか、
あるいは戦争を止めるために過去の人を消す人に反対して、優葉のように過去の人を守る人なのか、
または、戦争を起こした人なのか、
それらのどれでもない人なのか、
優葉の敵か、味方か。
そしてもうひとつ、疑問がある。
リーダーの存在だ。
優葉は確か、自分はとあるギルドのリーダーだと言っていた。最年少リーダーで、ギルド名は…
BlackCAT(ブラックキャット)