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Re: 未来へ幸せを〜どうかこの夢を終わらせないで〜タイトル変更した ( No.28 )
日時: 2014/04/27 18:49
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

四章 優葉の涙と、茜の気づかなかった気持ち

妖。
優葉はその類だと言った。
ならばきっと、他のBlackCATの仲間もまた、妖なのだろう。
自分達が追い出されたことに関して、優葉は許しているらしい。
自分らは妖で、彼らは人だ。共存なんて、元から困難だったから。と。
追い出されて、戦争が起きて、戦争で親を亡くした妖は、戦争を起こした人の先祖を殺し、戦争を起こした人を消す。
複雑にできたものだ。戦争を起こした人も、先祖を殺す妖も、馬鹿馬鹿しい。
しかも、その戦争を起こした人の中心人物が、私の子孫だと。
何故だろう。
命を狙われているのに、冒険のようなワクワクが、恐怖と同じくらい感じるのは











遥は私を家に送った後、何度か振り返りながら帰っていった。
「ありがと、ハル。」
もう一度口にして、今までのことがフラッシュバックする。
そしてカーッと頬が赤くなるのがわかった。
あれだけ泣いて、励ましてもらって。彼女はいつか、このことをネタにして笑うだろう。
あぁ、キャラじゃないことをしてしまった。
それの劣等感は半端じゃない。
まぁ、何はともあれ優葉に謝って、理由を聞かねばならない。
「…あれ、茜。」
「あ、青!」
買い物袋を下げた青が先ほど私も通った坂を登って来た。
そういえば、私は買い物やら家事やらを全て忘れていたのだ。今度は劣等感より罪悪感が押し寄せる。青になんて言えばいいだろう。学校を無断で休むなんて、色々な人に迷惑がかかる。
「青、その、買い物…。」
あわあわと口を開いた私だが、情けない声だ。羞恥心も重なり、頭の中はぐちゃぐちゃになっていく。
しかし、それは頭の上に乗っかった青の手によってあっけなく、まるで糸がほどけたように終わった。
「ぜーんぶ、」
「ぜ、ぜーんぶ…?」
嫌な予感がする。というか、嫌な予感しかしない。
「ぜーんぶ知ってる。」
ほら。
「な、何でっ…?!」
いつも青は一枚上手なのだ。バレないように行動しても、大抵のことはバレてしまう。青に隠し事は通用しない。
「お前の友達から電話が来て、茜が休みだって聞いて町を探してみれば、公園に一人でいたからさ、声かけようと思ったんだよ。けど遥ちゃんが来て話してたから、出て行ったらまずいなと思って、ずっと聞き耳たててた。」
さっきよりも顔が熱い。あぁもう、嫌になる。ぜーんぶばれているではないか。「優葉も、もう帰ってきてる。早く済ませて来な。」
わしゃわしゃとなでる大きな手が、暖かかった。