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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜未来へ幸せを〜どうかこの夢を終わらせないで ( No.51 )
- 日時: 2014/04/29 10:44
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
別に記憶を消す時は痛みとかはない。
優葉はそう言ってゴロンと寝っ転がる。その目は一点を見つめているようであり、遠くを見ているようでもあった。けれどやはり、相手の心情を100%理解することはできない。
「…俺、茜が俺を嫌ってくれたらって、考えてた。」
そしたら記憶を消す時、茜も俺も、ずっと一緒にいたいなんて、思わなくて、辛くないから。
私は、彼に何を期待したのだろうか。自分を守ってくれることか。一緒にいることか。強さか。
そんなの、してはいけない。
だって彼は、こんなにも弱いし、ずっと一緒にいれないし、彼自身も誰かに守ってもらわないと、壊れてしまいそうだから。
「…でもっ…。そんなの、言い訳に過ぎなくてっ…。
茜が辛くないからとか言って、俺が辛いだけで、茜は、俺と離れること、辛くなくて、俺が俺のために茜を避けていた…!」
優葉は両手で顔を隠すように覆う。
寝っ転がっているから、涙は重力に逆らわずに落ちていく。それがなんだかとても綺麗で、キラキラ光って見えた。
「だからもう、避けたりしない。その代わり、記憶を消すとき、俺、めっちゃ泣くかもよ。」
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