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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜未来へ幸せを〜どうかこの夢を終わらせないで参照300突破! ( No.64 )
- 日時: 2014/05/05 12:41
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
赤に染まる世界。
少女と少年が立っていた。
所々から火が出て、人々は泣き叫び、逃げ惑う。まるで地獄絵図のような光景に、二人は吐き気を覚えた。
嗅覚を刺激するのは、混ざる血の匂い。
聴覚を刺激するのは、人々の嗚咽、悲鳴。
視覚を刺激するのは、目の前に広がる赤と、倒れて動かない、愛する人。
どうして、こんなことになった。
考えたって、納得のいく答えはない。
溢れる涙。
むせび泣く少女を、少年は見つめた。少年は溢れる涙を拭い、立ち上がる。
母さんを殺した世界。
父さんを殺した世界。
姉ちゃんを泣かした世界。
赤い、紅い、朱い、アカイ世界。
涙で溺れた世界。
こんな世界になんて、俺は……
「生まれたく、なかったっ……!!」
夜の学校は不気味だ。条件反射で、何かが出そうという衝動に駆られる。
「ハルー!」
正門に寄りかかる、見慣れた彼女に手を振る。彼女、遥はいじっていた携帯を上着のポケットにしまって、手をふり返した。
「ごめん、待った…?」
時刻は20時35分。集合時間は30分ピッタリだったはずだから、5分遅れたことになる。
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