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Re: 〜未来へ幸せを〜どうかこの夢を終わらせないで参照300突破! ( No.67 )
日時: 2014/05/05 17:16
名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)

「私も今来たとこ。」
遥は私を安心させるためか、ニコッと笑う。吐く息が白い。私はそっか…と肩で息をしながら笑い返した。
「じゃあ、行こうか。」
「…うん!」
秋桜の場所は、あの本を見てすぐにわかった。
稲田小学校の敷地は思いのほか広く、となりの神社の半分も敷地に入っていた。それと、学校の裏にある小さな丘。それも敷地に入っているのだから、驚きだ。 本題の秋桜だが、秋桜はその小さな丘の上にあるらしかった。
遥は登ったことがあるらしいが、私はない。遥ほど好奇心旺盛で外でずっと遊ぶような幼少期を過ごしていないしね。
「あそこから登った気がするんだよねぇ…。」
門を乗り越えて、校庭を進むと、人が三人は座れそうな大きな石があった。月の光を受けて、石は怪しく光っている。
「あそこって……もはや道じゃないよ。」
私はため息交じりに言う。彼女はわかってるっつーの。と上着を脱ぐ。
確か、親に内緒で来ると言っていた彼女の下ははパジャマだった。
遥は上着を近くの木にかけ、石に手をかける。登る気だろう。
私は戸惑った。
登ったほうがいいだろうが、あいにくそんな体力は持ち合わせていない。
登った先には、優葉の時代を幸せにできるかもしれない花。
帰るという手段だってある。
しかしどうしてか、私は選択肢が一つしか見えない。
石は思ったよりも冷たく冷えていた。