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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜未来へ幸せを〜どうかこの夢を終わらせないで参照300突破! ( No.77 )
- 日時: 2014/05/10 16:57
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
「…嘘…。」
遥が消え入りそうな声を絞り出す。それは私と忽那の願いを重んじてのことだろう。忽那は目を伏せてこれまたちいさな声で、おまえらもだろ?と呟いた。
あぁ、本当についていない。
忽那のことは苦手だし嫌いだが、彼とて大切な誰かのために必要な願いを叶えたいのだろう。それは私も同様だが、忽那の願いを犠牲にして自分の願いを叶えるのは気が引ける。
「どうせ噂なんて嘘なんだろうけど、嘘を信じて三人もきてんのな。小6にもなって、笑っちゃうよな。」
寂しげに、忽那は笑った。諦めたような、今にも泣きそうな表情は月明かりに照らされて一層辛そうに見える。
彼にかけるべき言葉が、わからない。
それは思いのほか苦しく、口をパクパクとするしかなかった。
「いいよ。俺が諦めるからさ。おまえらの願い…まあ、願い叶えるなんて嘘だろうけど、秋桜に聞かせてきな。」
ダメだよ。
誰かのために、叶えたい願いなんでしょう?
そんな簡単に諦めるなんて、そんなの…
「絶対ダメだよっ…!」
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