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Re: 夢のような未来を実現したいっ! ( No.8 )
日時: 2014/04/03 21:23
名前: みにょ (ID: FvI/oER9)

「泣かないで。茜。」
恥ずかしいことに、私は泣きじゃくった。よりによって、初対面の未来人に。恥ずかしさと恐怖で、涙は止まらない。優葉は優しく背中をさすってくれる。
「やだよっ…死にたくないっ!」
私は恥を忘れて泣き叫ぶ。優葉がピタッと手を止めた。
「死なないよ。」
優葉の瞳が、真っ直ぐみつめてくる。何故か顔が火照ってしまい、必死に隠した。俯くと、涙で濡れた床が見える。座り込んだ私の体に、冷たい床が心地よい。
「俺が守るんだから、茜は死なない。」
おそるおそる顔を上げると、優葉はその耳をしゅんとさせ、はにかむ。まるで困ったような笑い方だ。思えば、彼は両親を亡くし、戦争に怯え、それでも面識のない私を守ってくれるのだれうか。優葉も、辛いのは一緒なはずなのに。
「茜を襲ってきたら、返り討ちにしてやるさ。」
優葉からは、そんな声があがる。辛さなんて、微塵も感じさせない。
「でも、とりあえず今日は限界…か…なぁ…」
ストンッと、優葉は私によりかかる。つまり、私の肩に、優葉の頭。
「ゆ、優葉っ?」
不安になって顔を覗くと、少し苦しげに息をして、優葉は眠っていた。寝ていると、本当に少女のようだ。
ひとまず、優葉を布団に寝かせて、下へ降りた。泣きすぎた。目が痛い…。
「あ、茜。ただいまー。」


「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」
やばい。泣き顏を、見られたっ…?!
そこには兄、あおがいた。