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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 未来へ幸せを〜この夢を終わらせないで〜《キャラ人気投票中》 ( No.82 )
- 日時: 2014/05/10 20:58
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
動きが止まる。
大きな風が吹いて、私たち三人の髪や服をなびかせた。
「忽那のお願いを叶えて。私のはいいから。」
それをいうのには、たくさんの勇気が必要だった。優葉のため。未来のため。そう思ってここまで来たのに。遥にも、手伝ってもらったのに。
できることなら、私の願いと忽那の願い、どちらも叶えてほしかった。けれど、それが欲張りだってことは、私だってよく分かっているから。
忽那は少し驚いた顔で、何度か瞬きを繰り返し、やがて口を開いた。
「…俺の願いは、俺の罪を拭うための願いだ。」
「……?」
私は首を傾げる。よくわからないのは、遥も同じようで困ったように目を向けてきた。
忽那は立ち去ろうとする。
でも、ごめんね。
「嘘でしょ。」
だって、それが本当なら……
「なんで、そんな顔すんの。」
彼は、小さく嗚咽をもらした。
それは、かつて私が遥に全てを打ち明けたときと酷似している。
責任を感じた。
どうにかしなきゃいけなかった。
一人じゃできそうになかった。
けれど、助けを求める方法を知らない無知な私たちは、似たもの同士だったかもしれない。
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