コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 未来へ幸せを〜この夢を終わらせないで〜《キャラ人気投票中》 ( No.83 )
- 日時: 2014/05/10 21:50
- 名前: みにょ (ID: 3HjnwYLE)
忽那には、両親がいない。
厳密には父親がいるのだが、幼い頃に海外に行ったきり戻ってこないらしかった。母親は忽那を産んで容体が悪くなり亡くなった。
つまり、忽那はしばらく孤児院に住んでいたのだ。
忽那にとって、それは苦痛以外の何物でもない。
故に彼は、孤児院を大人の家と呼んだ。
そんなある日。今日のような、星が輝く日だったらしい。一人の老婆が忽那のもとへやってきた。
「忽那千歳といいます。
要君の祖母にあたります。」
忽那は、唐突に会ったことのない祖母に引き取られた。
忽那の祖母、千歳は忽那の両親…千歳にとっての娘と義息子について話した。
義息子はなかなかの不良だったとか、娘は苦労していたとか、そんな話しである。
忽那は簡単に千歳に懐いた。
親さえいない忽那にとって、千歳は唯一の家族だったのだ。
しかし、その3年後。千歳は忽那を信号無視の車から守るために……
入院生活を余儀無くされた千歳は、みるみるうちに弱っていく。
要。おばあちゃん、要がいたから幸せだよ。
…俺も、おばあちゃんのこと好きだよ!
…ありがとう。
だからさ、お家に帰ろうよ…
ごめんね、要。お家には、死ぬまで帰れないかもしれない。要ともう一度、お家で遊びたいねぇ。
やだっ…!おばあちゃん、死なないで!俺、おばあちゃんがいなかったら、どこにいればいいの…?
新しいお家があるよ。大丈夫。
やだ!母さんと父さんとおばあちゃんと一緒に住んだ家、もし忘れたらどうすんの?!新しいお家、『どうせ大人の家』でしょ?!あそこ、つまんないよ…!お家がいいよ…!
ーーーーーーー俺が、おばあちゃんともう一度お家に住めるよう、頑張るから!
そこで耳に入った、二百年桜の噂。
転校してきたのは、入院する病院の都合。
二百年桜の噂を聞いたのは、転校した直後。
私に告白する時辛そうだったのは、千歳のことについて、迷惑をかけることを考えたから。
忽那は、唯一の家族を幸せにしたいという願いを叶えたかった。
忽那は、家族を愛していた。