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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照1400突破感謝!) ( No.105 )
- 日時: 2015/09/05 20:23
- 名前: 夕陽 (ID: WzE/lQPv)
月が綺麗ですね〜三上視点〜
塾の帰り、僕は夜食を買うためにコンビニまで自転車をこいでいた。
ようやく塾が終わったが、まだ宿題が残っている。
10p分を笑顔で「次の授業までの宿題な」と言った塾教師の顔を思い出す。
そんな事を考えながらコンビニの自動ドアをくぐろうとすると……、
「あれ? 斉藤さん?」
「あ、三上君」
斉藤梨乃さん。
学校が同じで、三年のときのクラスも一緒だった人だ。
クラスの中心で騒いでいるわけでもないけど、誰とでもわけ隔てなく接することが出来る人。
だからか、何かのリーダーには必ずといっていいほど彼女の名が挙がっていた。
僕はそんな彼女を尊敬していた。
「塾の帰り?」
「うん。勉強大変だからね」
なんとなく、という風に切り出してくる斉藤さん。
「そっか。でも三上君頭いいじゃん。特に文系の成績良かったよね?」
その言葉に胸が弾む。
知っていてくれた嬉しさだろうか?
「そんなことないよ。模試だって成績良くなかったし」
僕はこの間の模試を思い出す。
確か全体で70000位くらいだった。
クラスの人はほとんど50000位前後だったのに。
そんな回想をしていると彼女はおもむろに口を開いた。
「月が綺麗だね」
いきなりのことに少し戸惑う。
彼女を伺うと彼女の瞳は月を捕らえているようで別のものを見ようとしているように見えた。
もしかしてこれは、こう答えるのが当たりだろうか。
自惚れてもいいのだろうか?
軽く呼吸を整えて僕は、
「死んでもいいです」
* * *
あとがき
あとで読み直してみたら「なんかご都合主義っぽい」と思い男の子編足してみました。
三上君も斉藤さんのこと好きだったんだよ的なエピソードです。
誰得かといわれたら私得ですが……。
次はどんな話を書こうかな……。
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