コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 短・中編集 ( No.14 )
日時: 2014/04/19 18:52
名前: 夕陽 (ID: aUfirgH8)

三題噺「空」「絨毯」「穏やかな剣」 ジャンル「指定なし」
(三題噺のお題メーカーから)

「なんか面白い事、ないかなあ」
 私はぼんやりと空に向かってつぶやく。
 誰もいない放課後の教室はなぜかすごい落ち着く。
 窓から差し込む西日がいつもの教室とは別の風景を見せてくれる。

 思えば、私は小さい頃から“普通”がつく人生を送ってきた。十六年間ずっとだ。
 たまには、面白いことをしたい。
 ちょっと変わったような世界にのみこまれてみたい。私はいつも願っているんだ。

——非日常を体験してみたい。

 ずっと日常なんてつまらない。
「例えば空飛ぶ絨毯に乗って冒険したりとか、魔王を倒しに行く勇者になったりとか」
 私はいつもそう願っていた。

 そう、願っていたのだ。




「だからといっていきなり非日常になっても困るから!」
 私は非日常に連れてきたハーブに言う。
「でも、願い事は叶えなきゃだめなんだよっ」
 ちなみに私とハーブの出会いはある日ハーブが落ちてきたときに私が拾ったからだ。
 あの時、今の自分がいたら過去の自分を殴ってでも止めてただろう。
 だってこいつのせいで私の日常が180度変わったのだから。
「そうは言ってもさ、限度ってもんがあるでしょ」
 ちなみに今の私の状況は、異世界に飛ばされ、ハーブという意味不明な生き物が近くにいて、どう考えても人間じゃない(四足歩行・服の代わりに毛皮)やつに絡まれている。
「しょうがないじゃん! 僕には両極端しかできないんだからっ!」
 何で自信満々に言い切るの!?
「この、使えない妖精は……」
 呆れてしまう。まあ、非日常は楽しそうだししばらく楽しむか。
 それに、私が満足したら帰れるみたいだし。
「とにかく、楽しんでください! ハーブも早く帰りたいし」
 私はとりあえず、目の前にいる謎の生物を相手することにした。

 しばらくたって遊び疲れた私は小屋に行き着く。
「この小屋が見えてきたってことはもうお別れか……」
 へ? 私はハーブの言葉が分からずきょとんとする。
「この小屋は願いがかなったときに出てくる小屋なんだよ! よかったね、前の世界に帰れるよ!」
 なんだかんだで楽しかったし、来てよかったかな。
「ハーブ、いろいろとありがとね。この小屋に入れば勝手に帰るの?」
「ううん。中に剣があるからそいつに聞くといいよ」 
「剣? 人の名前?」
「違うよ、剣だよ!!」
 よく分からないけど、とにかく行ってみよう。

「あなたが、この世界から元の世界に帰る人ですか?」
 小屋の中には、おっとりとした感じでしゃべる剣がいた。
 そう、外見が剣なのだ。
「はい、変える方法わからないですけど……」
 困ったがとりあえずこの穏やかな人……いや、穏やかな剣に話しかける。
「大丈夫ですよ。私が手伝いますから」
 穏やかな剣は私に剣の柄を握らせると呪文みたいのを唱えた。
 真っ白な光が私を包んだ。

 目を覚まして一番最初に入ってきたのは、クラスメイトの顔だった。
「あ、起きた?」
 どうやら私を待っていてくれたようだ。私は自分の机に寝ていたのだが、彼女はその隣の席に座っていたから。友達というほどでもないがよくしゃべる人だからだろうか。
「うん」
 私は返事をして荷物をまとめた。
「一緒に帰る?」
 私は彼女に声をかける。
「うん、いいよ。一緒に帰ろう!」
 私達は二人並んで歩いた。
「日常も悪くないや」
 小さい声で呟いたつもりなのに彼女が
「なんか言った?」
 聞き返してきた。
「ううん、何も言ってないよ」
 私は少し微笑みながら家に帰った。

—END(?)—

あとがき
意味不明ですみません……。
もしかしたらまた補足で話し書くかも……。