コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.55 )
- 日時: 2014/08/03 10:57
- 名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)
ことわざ
『朝起きは三文の徳(早起きは三文の徳)』
「ふわぁ」
私はそう言って時計を見る。起きた時の癖だ。
「5:00」
ベッドの上にある私のお気に入りのデジタル時計はいつも起きている時刻よりはるかに早い時刻を示していた。
「もう一回寝ようかな……」
一瞬そんな思いが胸をよぎったが、これ以上寝ると起きるのは9時くらいになってしまい部活に遅れてしまう。
少し眠気が残っている体を起こし、キッチンに行く。
「あ、何もない……」
私は冷蔵庫をのぞいて落胆の声をあげる。
「しょうがない、何か買うか」
私は近くのコンビニに行くことにした。
コンビニだと高くつくけど、バイト代がいつもよりもらえたので大丈夫だろう。
「あ……」
コンビニで買い物を済ませ、家へ向かう途中にそれは見た。
私の視線の先には、困っているおばあちゃんがいた。
ここは助けた方がいいだろう。
いつもなら助けないかもしれないが、朝の神聖な空気を浴びてふとそんな考えが出てきた。
「どうかしましたか?」
私は自然に声をかけていた。
「ちょっと道に迷ってねえ」
おばあちゃんはそう言って困り笑いをした。
目的地を聞いてみると幸い私のマンションの近く。
私はおばあちゃんに道案内する事にした。
「ここですよ」
私がそう言って笑うと
「ありがとねえ。お礼に、これあげる」
おばあちゃんは鞄から1000円札を一枚出した。
「いえ、いりません。特にお礼をしてもらうほどのことはしてませんし」
私はそう断ったが
「道案内してくれたからお礼」
と私に1000円札を握らせて向こうに行ってしまった。
私は
「ありがとうございます!」
とおばあちゃんに頭を下げ、自宅へ戻った。
『朝起きは三文の徳(早起きは三文の徳)』
意味:早起きすると利益があること。
—END—
あとがき
これも結構短くてすいません。
今回のことわざは上記以外の意味に「早起きしても三文しか徳がない」という意味でもあるとか。
次もことわざシリーズかな……。